休んでもだるさが抜けない、温活しているのに身体の冷えがなかなか改善しない…
よく見られる不調ですが、もしかすると原因は鉄分不足かもしれません。
女性は月経のたびに血液を失うため、鉄分不足になりやすいのです。
鉄分不足は貧血だけでなく、冷えや疲れやすさ、妊娠しにくくなるなど、さまざまな悪影響を及ぼします。
なぜ鉄分不足が妊娠に悪影響を与えるか、はっきりした理由は分かっていません。しかし鉄分不足の女性は不妊や流産など妊娠トラブルを起こす可能性が高いこと、鉄剤の投与で妊娠率が改善したという報告があります。
しかし血液検査でも「鉄分不足」と診断されないこともあります。血中の鉄は多くても身体に蓄えている鉄が足りない「隠れ鉄分不足」もあります。
鉄分不足は、だるさや冷えだけでなく、妊娠しにくさにも関わる可能性があります。女性は月経で鉄を失いやすく、血液検査で異常が出なくても、体内の貯蔵鉄(フェリチン)が不足する「隠れ鉄分不足」が起こることがあります。鉄は酸素運搬だけでなく、ホルモン調整や免疫機能にも関与しており、不足すると卵巣や子宮内膜の働きに影響する可能性が指摘されています。フィンランドの研究では、鉄分不足の女性に鉄剤を投与すると妊娠率・出生率が上昇し、流産率が低下したという報告もあります。鉄分補給は医療機関での診断のもと行うことが重要で、食事ではレバーや赤身肉などのヘム鉄、ビタミンCとの併用が有効です。一方、お茶のタンニンや過度な運動、無理なダイエットは鉄吸収を妨げます。妊活中に半年以上妊娠しない場合は、早めに婦人科で検査を受けることが推奨されます。
妊娠しにくい女性に、鉄分不足の方が多いという研究結果が
鉄分不足と妊娠しにくさに関連があることを示唆する研究があります。
フィンランドの不妊治療クリニックで行われた研究では、鉄分不足がある292人の女性に鉄剤注射で鉄を投与したところ、妊娠率と出産率が上がりました。
・鉄補給後は、妊娠率が65%から77%に増加
・出生率は26%から51%に増加
・流産率は28%から13%に減少
鉄は赤血球中にあるヘモグロビンの材料となり、酸素を全身に運ぶ役割があります。血中に十分な鉄(ヘモグロビン)があれば、筋肉や臓器に十分な酸素を渡し、疲れにくい身体になります。
それだけではなく、鉄分は免疫機能、ホルモンバランスの維持にも関わっています。鉄分が不足すると女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンの分泌や調整に影響する可能性があると考えられています。
酸素が不足すると卵子が育つ卵巣や子宮内膜が育ちにくくなるおそれがあります。疲れやすい、顔色が優れない、息切れやひどい冷えに悩まされている方は、鉄分不足かもしれません。鉄分は免疫機構にも関わるので、不足すると感染症にも罹りやすくなります。
血液検査で見逃されやすい「隠れ鉄分不足」とは?
気を付けたいのは、血中の鉄分(ヘモグロビン値)は十分あるのに、体内に貯蔵されている鉄分(フェリチン)が不足する、いわゆる「隠れ鉄分不足」(隠れ貧血)です。
一般的な血液検査ではヘモグロビン値しか測らないことがあり、鉄分不足の発見が遅れることがあります。
血中に十分な鉄分があれば、全身に酸素を行き渡らせることはできます。
しかし鉄分は神経伝達やホルモン分泌など、他にもいろいろと役割があります。この役割を担うのが体内に貯蔵されている鉄、フェリチンです。
フェリチンは普段は肝臓や骨髄に貯め、血中に必要な分だけ鉄を送ります。しかし血中の鉄分が不足すると貯蔵していたフェリチンを使い果たしてしまうことがあります。これが隠れ鉄分不足の原因です。
一般的に健康診断ではヘモグロビン値しか測りません。フェリチンを測りたいときは内科か婦人科にご相談ください。フェリチン測定は自由診療になることがあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
妊活中から実践したい鉄分補給と、気を付けたい生活習慣
たとえ鉄分不足だとしても、自己判断でサプリメントを使用するのは注意が必要です。
きちんと容量を守れば良いですが、過剰に鉄を摂取すると亜鉛の吸収が阻害され、別の問題が起こるおそれがあります。
亜鉛はDNA合成を助け、細胞分裂などに関わるミネラルで、妊活に欠かせない栄養素です。
医療機関で鉄分不足が指摘されたら、鉄剤注射や鉄剤の処方などで補います。まずは治療に専念して、鉄分を食事から摂取することと鉄の吸収を阻害することを避ける習慣を付けましょう。
鉄分を含む食品はレバー、赤身肉、魚、海藻、豆類、緑黄色野菜などに含まれています。特にレバーや肉はヘム鉄という、身体に吸収されやすい鉄分です。
しかしレバーは身体に蓄積しやすいビタミンAが多く、過剰摂取は控えたほうが良いでしょう。
鉄は吸収されにくい成分ですが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がります。肉+サラダなど生野菜やフルーツは、鉄分吸収に欠かせません。
自炊をする方なら、フライパンを鉄にするだけでも鉄分補給ができます。鉄フライパンや中華鍋は使用後に軽く洗って火にかけ、水分を飛ばせば錆びにくくなります。使い続けるうちにこびり付きが減り、テフロン加工の調理器具に比べて長持ちするので、一度慣れると手放せなくなります。
逆に気を付けたいのはお茶です。お茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げます。
食事中にお茶を飲むのは控え、食後しばらく経ってから飲むようにしましょう。
ハードな運動で過剰に体力を消耗させるのも鉄分不足になります。強度の高い運動を続けると、足裏に負荷がかかり赤血球が壊れやすくなることがあります。(フットストライク溶血)
一番良くないのは、食事を制限するダイエットです。食事を制限すると鉄分をはじめ、十分な栄養素が摂取できません。妊活中は美容よりも健康を優先したほうが、妊娠に近づけるでしょう。
自己流で妊活をして半年以上経っても妊娠しないなら、婦人科に相談して検査を受けましょう。不妊の原因は非常に多く、中には簡単な処置で改善する原因もあります。
鉄分が補給されても別の原因があれば妊娠は難しくなるため、早めに医療機関で調べると安心です。
参考サイト
第一三共ヘルスケア 「疲れやすいし、顔色がよくない…」その不調、実は“隠れ貧血”かも!?
コメント