妊活、どのタイミングで病院にいくべきか

妊活コラム


WHOの指標では「不妊とは、避妊をしないカップルが1年以上妊娠しないこと」とされています。日本でも原則的にWHOの指標に従いますが、女性の年齢によってはもっと早く病院に相談することを推奨しています。
ここでは、妊活をして、どれくらいの期間で病院に相談すべきか紹介します。

妊活中に病院に行くべき?産婦人科受診の目安になる時期は?

女性は35歳を超えると、妊娠率が大きく下がる傾向があります。
もちろん個人差はありますが、人によってはもっと早い時期から妊娠しづらくなることも珍しくありません。
一人目はすぐに授かったけれど二人目がなかなか授からない、「二人目不妊」というケースもあります。二人目不妊の原因は様々ですが、母体が35歳を超え、妊娠しづらくなったことも考慮すべきでしょう。

あなたが35歳以上の女性なら、妊活して半年を目安に婦人科を受診すると良いとされています。
米国生殖医学会では、35歳以上の女性の場合は、妊活半年を目安という指標を出しています。日本では原則1年ですが、近年は1年未満でも病院に受診することを推奨する傾向が強くなっています。

では、婦人科ではどのような検査を行うのでしょうか。
病院によって若干異なりますが、以下の検査を行うのが一般的です。
1.基礎体温のチェック(1ヵ月以上、毎朝測る)
2.甲状腺の機能検査(機能が低すぎる・または高すぎると妊娠しづらくなります)
3.プロラクチンの検査(プロラクチンとは、出産後授乳をする時に分泌するホルモンで、妊娠を阻害します)
4.男性ホルモンの測定(女性にもわずかに男性ホルモンがありますが、男性ホルモンが高すぎると妊娠しづらくなります)
5.女性ホルモンの検査(FSH、LH、黄体ホルモンの測定。排卵前、排卵後の2回血液検査を行います)
6.風疹抗体検査(妊娠中に風疹に感染すると危険なため、風疹の抗体があるかの確認を行います。陰性の場合は、風疹ワクチンを接種してから妊活をしましょう。)
6.超音波検査(内診で卵巣、子宮の状態を確認します。併せて子宮頸がん検診とクラミジア抗体検査、膣内細菌の検査を同時に行います)
7.子宮卵管造影(月経7日ごろに行う検査で、卵管に液体を注入してレントゲン撮影を行います。軽い卵管の詰まりが解消するので、妊娠しやすくなる効果も期待できます。)
8. AMH測定(自費検査。卵巣の中に残る卵子の元がどれだけあるかの目安になるホルモンを測ります。
治療方針の目安にする検査なので、結果が悪くても気にする必要はありません。)

女性の検査は月経周期1周を使い、時間をかけて行います。
何度か通院する必要があるので、仕事の合間を縫って検査に通う必要があります。
男性の場合は精子の検査、感染症検査が主なので、1~2回の通院で完了することが多いです。



月経不順や、性感染症の経験があれば、すぐに病院へ

以上の目安は、定期的に月経が来る女性の場合です。
もし、あなたが月経不順や、激しい月経痛に苦しむ場合は、すぐにでも婦人科を受診しましょう。

月経不順はさまざまな原因で卵子が育ちにくい状態になっている可能性があります。
月経不順では排卵のタイミングが掴みにくく、きちんと排卵ができてもタイミングを取りにくい問題もあります。
月経痛は子宮内膜症など、妊娠に悪影響を与える病気が隠れていることも珍しくありません。
どちらも婦人科で確認することで特定でき、ある程度なら対策、治療することもできます。

子宮内膜症は様々な治療法がありますが、治療は早ければ早いほど月経困難症を和らげ、妊娠しやすい身体になる上に日常生活も楽になります。

クラミジア、淋病など性感染症に感染した経験があると、卵管が詰まり妊娠できなくなることがあります。男性不妊の原因にもなるため、カップルで陽性検査をする必要があります。
性感染症はカップルが同時に治療をしなければ、いつまでも移し合ってしまいます。性感染症検査は夫婦同時に行いましょう。(男性でもカップルで検査を行う場合は、不妊治療を行う婦人科で検査可能です。)
これらの病気は投薬などで治療を行います。もし卵管の詰まりが激しい場合は手術で卵管を広げるか、体外受精での妊娠を目指すことになります。

結婚前や妊活前に行うことが推奨される「ブライダルチェック」とは

「ブライダルチェック」とは、結婚前や妊活前に行う検査のこと。
妊娠に備えて、あらかじめ妊娠中の危険を減らすために行うものです。
ブライダルチェックは不妊の原因を探るというよりは、妊娠に備えて不安をなくすための側面が強い検査です。

ブライダルチェックの内容は子宮頸がん検査、性病検査、内診による子宮筋腫などの確認、風疹、麻疹、肝炎などの検査など、比較的簡単な検査です。(内容は病院によって異なります)
検査が1回で終わる病院もあるので、本格的な検査よりは簡単に検査できます。

まとめ

自力で妊活をしても授からない場合は、できるだけ早めに病院で検査を受けると良いでしょう。特に月経トラブルがある方や35歳以上の女性は、一定期間を待たずに相談をするのが妊娠の近道。
思わぬ原因が隠れていることもあり、早めに治療することで解決することも珍しくありません。なかなか病院に行くのは抵抗がありますが、勇気を出して一歩を踏み出してみませんか。



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