排卵日だと間に合わない?性交のタイミングは排卵の1~2日前がベスト

妊活コラム


性交のタイミングを取るのは「排卵日に1回で十分」と思っていませんか?
実は、排卵日に性交のタイミングを取っても間に合わないことがあります。妊娠確率を上げるためには、排卵日の1~2日前がベストと言われています。

なぜ排卵日の前が良いのでしょうか。これは精子の寿命が関係しています。

排卵1~2日前なら、精子が待機できる

精子の寿命は約3日です。しかし、卵子の寿命はわずか1日しかありません。
そのため、排卵日に性交のタイミングを取ると精子がたどり着く前に卵子が力尽きる可能性が上がります。
排卵日1~2日前なら精子が卵管の中で待機できるので、受精が成功する可能性が上がります。

性交のタイミングを行った日と妊娠陽性率、胎嚢(たいのう・赤ちゃんを包む袋のこと)が確認できる確率について調べた論文があります。
健康な女性221名がタイミング療法を行った結果、妊娠陽性率がいちばん高いのは排卵日当日ですが、胎嚢が確認できる確率がいちばん高いのは排卵日2日前(妊娠率30%弱)、ほぼ僅差(27%ほど)で2番目に高いのが排卵日1日前という結果になりました。

妊娠陽性率そのものは排卵日当日のほうが高いのですが、胎嚢が見えるまで成長できないことが多いようです。
婦人科に通院して、厳密に排卵日がチェックできるなら、排卵日1~2日前に性交のタイミングを取るのがベストのタイミングです。

ちなみに、排卵日5日前から妊娠率は上がり始めます(妊娠率は10%前後)。
逆に、排卵後1日経つと卵子の命が尽きるため、妊娠は成立しません。

出典:「Timing of Sexual Intercourse in Relation to Ovulation — Effects on the Probability of Conception, Survival of the Pregnancy, and Sex of the Baby」Wilcox AJ et.al. N Engl J Med 1995; 333:1517-1521
https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/7477165/



できれば複数回タイミングを取るのが理想

理論上は精子と卵子が出会って受精すれば妊娠が成立するのですが、性交のタイミングは1回より2回、2回より複数回のほうが妊娠率は上がります。
毎日タイミングを取るカップルの妊娠率は1周期で37%なのに対し、1週間に一度だけタイミングを取るカップルの妊娠率は1周期0.25%ほど。明確な違いがあります。
1日おきにタイミングを取っても1周期35%なので、1日おきにタイミングを取るように指導する病院が多いようです。

タイミングは妊娠成立だけでなく、「妊娠しやすい環境作り」にも大いに貢献します。
タイミングを定期的に取ると女性のホルモンバランスの改善、精子が新鮮な状態を維持できる、夫婦仲が良くなり精神面で安定するなど、さまざまな良い効果が期待できます。
着床する時期(排卵日から7日後)の手前でタイミングを取ると、子宮内膜が刺激されて着床しやすくなるという説もあります。
排卵日にこだわらず、自分たちのペースで複数回タイミングを取るのが妊娠への近道かもしれません。

タイミングでの妊娠の可能性は年齢に左右されますが、一番妊娠しやすい年齢(20代)で20%以下です。
ヒトは他のほ乳類に比べて妊娠率がとても低く、健康な若い男女でも確率は決して高くありません。
ヒトには繁殖期がなく、一年中いつでもタイミングが取れるため、これくらい低くても子孫繁栄ができたのでしょう。
確率では、おおよそ半年で100%妊娠する計算になります。「妊活を始めて半年経っても妊娠しない場合は病院へ」と言われるのは、このためです。

病院でタイミング療法を行い、適切なタイミングの時期を掴むだけで、すぐ妊娠することもあります。
半年経っても授からない場合は、ぜひ病院に相談しましょう。

強要はNG!タイミングEDになる可能性も

タイミングを取るのに一番気を付けないといけないのは、男性のメンタルでしょう。
あまりにもタイミングの時期を強要すると、精神的に参ってしまいEDになることがあります。
「小作りED」「タイミングED」と呼ばれる症状で、典型的な男性不妊の原因になります。

男性は女性が思っているより、ずっと繊細です。
なかなか難しいですが、排卵日1~2日前のタイミングさえ取れば、あとは自由でOK、と余裕を持たせることが良いかもしれません。
いちばん良くないのは排卵日のタイミングにこだわりすぎて、性交の強要をすることです。
焦る気持ちは分かりますが、妊活はパートナーがあってこそ成立することを忘れないようにしましょう。
排卵日5日前から妊娠する可能性があります。無理に排卵日直前にこだわるよりも、5日前から複数回タイミングを取るだけでも妊娠確率は上がります。

小作りEDに関しては治療法もあり、バイアグラなどを服用して改善を試みます。
バイアグラはファイザーが開発した世界初のED内服薬で、現在も広く愛用されています。
バイアグラは服用するタイミングや食事、副作用、禁忌など、注意する点は多いので、しっかり説明書を読んで理解する必要があります。

タイミング療法でのバイアグラ服用は保険適用されるので、比較的安価になります。
しかしバイアグラなどED改善薬は、あくまで勃起を維持するものです。
服用すれだけで元気になる万能薬ではないので、過度な期待は禁物です。

小作りEDに陥らないためにも、「自由にタイミングを取る」楽しさを優先しましょう。厳密にタイミングを取るのは1周期1回だけと決めて、あとは自由に楽しむ、くらいの緩さがちょうど良いかもしれません。



参考サイト

大宮レディースクリニック タイミング療法
親愛レディースクリニック 妊娠率が高いタイミングはいつ?
木場公園クリニック 卵子の寿命はどれくらい?妊娠しやすいタイミングを測る方法
浜松町第一クリニック 不妊とED

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