過剰なダイエットも太りすぎもNG!妊娠しやすい女性の体型と食生活

妊活コラム


痩せすぎると妊娠が難しくなる、というのは昔からよく言われていることです。
しかし(医学的見地で)太りすぎるのも、妊娠が難しくなります。
一番妊娠しやすい体型はBMI20~24くらい、身長160cmの女性なら体重53~60kgほどが理想とされています。

なぜ痩せすぎ、太りすぎが妊活の妨げになるのでしょうか。

脂肪細胞は卵胞ホルモン、エストロゲンを分泌します

女性ホルモンの代表格は、低温期に分泌されるエストロゲンと、高温期に分泌されるプロゲステロンです。
エストロゲンは卵胞ホルモンと言われ、卵胞を育てるのに欠かせません。
どちらのホルモンも主に卵巣から分泌されますが、エストロゲンはもう一つ分泌する場所があります。それが脂肪細胞です。

女性は第二次性徴から丸みを帯びた体型になりますが、これはエストロゲンのはたらきです。
卵巣が目覚め、初潮が始まるとエストロゲンの分泌が盛んになり、女性らしい身体に変化します。エストロゲンは程よく皮下脂肪を貯めるはたらきがあり、その脂肪(脂肪酸)からもエストロゲンが分泌されます。

エストロゲンは、ただ脂肪を貯めこむだけではありません。過剰な脂肪を貯めるのを抑えるはたらきもあります。食欲を適度に抑え、
エストロゲンは「脂肪を貯める」というよりは、「妊娠にちょうど良い量の脂肪量に調整する」のが、より正確な表現でしょう。

脂肪からレプチンというホルモンが分泌される→卵巣が刺激され、初潮が起こる→エストロゲン分泌→脂肪が程よく増える→卵巣+脂肪の両面からエストロゲンを分泌して、卵胞を育てる
というサイクルで、妊娠しやすい身体が造られます。



脂肪が足りないとエストロゲンも不足します

女性なら一度や二度はダイエットに励むことがあるでしょう。しかし、世間で言われる美容体型は妊娠を妨げるほど痩せすぎです。

痩せすぎると月経が止まることは有名です。なぜ痩せすぎると月経が起こらないのでしょうか。
脂肪が少なすぎると十分な量のエストロゲンやレプチンが分泌されません。
(レプチンは卵巣を活性化してエストロゲン分泌を促し、過剰な食欲を抑えるはたらきがあります)
卵巣への働きかけが少ないと月経や排卵が起きにくくなり、極端な場合は止まってしまいます。早期閉経など、取り返しがつかない状態まで進行することもあります。
無月経を放置すると深刻な無月経や排卵障害に陥りかねません。排卵障害は不妊治療を行う病院でも処置が難しい症状です。

そうなる前に、健康的な体重まで増やしましょう。

(医学的見地で)太りすぎは妊活にNG!その理由は

女性に「太りすぎ」と言うと標準体型でも太っていると思う方がいますが、それは大きな誤りです。身長160cmの女性ならBMI24(60kg前後)まではベストの体重です。

しかし、医学的見地から太りすぎるのも不妊を引き起こします。
特に、BMI30を超えると排卵障害が起こりやすくなります。これは何故でしょうか。
脂肪酸からエストロゲンが分泌されますが、医学的見地から太りすぎるとエストロゲンの量が過剰になります。
さらに、肥満はインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい体質)になりやすくなります。この体質は糖尿病因子になりますが、排卵障害を引き起こす原因にもなります。

インスリンというのは脾臓という臓器から分泌されるホルモンです。細胞に糖を取り込ませてエネルギーにするのを促し、血糖値を下げる役目があります。
肥満になると、身体はインスリンが効きにくい体質になります。原因ははっきり分かっていませんが、インスリン抵抗性が高まると排卵障害が起きやすくなります。
さらに、高血糖はPCOS(多嚢胞性卵巣症候群・卵巣の中に卵子予備軍が多すぎて卵子が育ちにくい症状)の原因のひとつになります。
PCOSは原因が複雑で、すべて解明されていませんが、原因のひとつが高血糖、糖尿病であることは判明しています。

糖尿病には生まれつきインスリンが分泌できないⅠ型、生活習慣病などが原因で発症するⅡ型があります。
Ⅱ型糖尿病の根本的改善策はただひとつ、適正体重までダイエットすることです。

日本人など、東洋人は他の人種に比べて肥満に弱い傾向があります。
WHOではBMI30以上が肥満とされますが、日本ではBMI25以上から肥満という基準があります。これは、BMI25を超えるとⅡ型糖尿病や脂質代謝異常症、高血圧のリスクが急上昇するため。
もしBMI30以下でも月経不順があるなら、BMI20~25
まで体重を落とすと改善する可能性があります。

バランスの良い食事と適度な運動を

体重を増やすのも、減らすのも方法は同じです。
「バランスの良い食事」と「適度な運動」、この2つを心がけましょう。
バランスの良い食事は、厚生労働省の「食事バランスガイド」を参考にするのが手っ取り早いでしょう。ガイドをもとに、手軽にバランスが計算できます。
参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

運動といってもジムに通う必要はありません。
自宅でできる運動は多く、質の高い動画サイトもたくさんあります。
日常生活を意識するだけでも運動はできます。階段を使って上り下りする、会社から自宅まで数キロほど徒歩で帰る、電車通勤から自転車通勤に変えるなど、「面倒がらない」意識が大切です。

肥満の方は、いきなり運動をすると足腰を傷めるので、日常生活で動くことを実践しましょう。
運動をしたい時は水泳や水中ウォーキング、エアロバイクなど足の負担が軽いものを選ぶと安全です。



参考サイト

京野アートクリニック高輪 妊活中の生活について①
日本糖尿病・妊娠学会 糖尿病の女性は月経不順になりやすいですか?
佐久平エンゼルクリニック 肥満と不妊症の関係

妊活にNGな行動はこちらも参考になりますよ

妊活中に避けたいNG行動は?無理ない範囲で改善しましょう。

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