妊活に取り組む男性が1.5倍に!いま「妊活男子」が増えています

妊活コラム

ロート製薬が毎年公開する「妊活白書」は、いまの妊活事情を知る上で参考になる資料の一つです。
毎年集計していますが、2023年までは子供が欲しくない若者は増える一方でした。2024年は引き続き子供が欲しくない若い世代は増加傾向にありますが、男性の妊活が1.5倍に増えるなどの変化が見られるようになりました。
2023年以前に比べて男性、特に20代の若い男性の妊活意識の大幅な向上は、大きな転換点と言えるでしょう。

「妊活は男性のほうが消極的」
というのは過去の認識かもしれません。

20代の男性が妊活に積極参加?妊活白書2024のポイントと2023の比較

今回の調査では残念ながら、未婚の男女(18~29才)のうち56.6%の方が子供は欲しくないという回答でした。この割合は過去最高です。
しかし、これは「今は」子供が欲しくないという意味かもしれません。将来的に子供を授かる可能性は残したい、と考える方は4人に1人まで増加しました。特に男性が大きく上がり、2023年の19.8%から24.4%に増えました。
一方、女性は25.5%から25.3%とほぼ横ばいで、男性の増加が際立ちます。

さらに、既婚の男女では妊活に積極的になるカップルは毎年増加傾向にあります。すべての項目で前回よりも増加しています。
・排卵日に合わせてタイミングを取る(17.7%→20.9%)
・妊活情報を集める(15.2%→20.1%)
・家族計画についてカップルで話し合う(24.6%→29.1%)
・不妊検査(13.6%→17.2%)
・一般不妊治療を行う(10.3%→14.9%)※一般不妊治療とは、タイミング療法~人工授精までの治療です
・健康に気を遣う(10.6%→14.5%)

いずれも1割から3割ほどの割合ではありますが、「妊活」が男女とも身近なものになりつつあることが分かります。



妊活男子は約1.5倍に増加。男性同士で妊活を話題にすることも

女性に比べて男性は妊活に消極的でした。男性不妊を恥だと思い込み、一人で悩むことも珍しくありませんでした。
しかし妊活白書2024年では男性が主体的に妊活を実践し、男性同士で妊活について話し合う機会が増えたという統計が紹介されています。
特に20代後半の男性は妊活の意識が非常に高いのが特徴です。この世代の男性の行動変容が大きく押し上げ、妊活男子が約1.5倍に増加しました。

男性同士で妊活について話をする(した)男性は全体では13.2%に留まりますが、25~29歳の既婚男性に限れば32.6%に達しています。
カップルで妊活情報を共有する方は全体で27%、25~29歳の既婚男性は43.2%という結果になりました。
パートナーの体調を気遣う男性も全体では25.2%に対し、25~29歳の既婚男性は48.2%もあります。
若い世代の既婚男性に、どのような変化があったのでしょうか。

妊活は「カップルの共同作業」という意識の変化

人口統計資料集(2025)によれば、2023年現在、25歳~29歳で結婚する男性は33.38%です。
昭和後期の1980年には同世代の男性の72.02%は結婚していたので、ほぼ半減しています。
しかし逆に考えると、この世代で結婚する男性は、自らの意思でパートナーを選んで結婚した人が多いと考えられます。パートナーに好意を持ち結婚する男性が多いと推測すると、この意識の変化は納得できるところが多いでしょう。
若い世代の男性が妊活に積極的になるのは、パートナーと共に問題を解決するという意識がある男性が結婚している、と考えられます。

女性の社会進出が当たり前になり、家事も育児もパートナーと共に担う意識が男性にも浸透した結果と言えるでしょう。
女性が主導しがちだった妊活は、これからの世代には「夫婦の共同作業」という認識になりつつあります。

男性向けの妊活アイテムが増えたことも、この流れを後押ししている可能性があります。
精子の観察ができるTENGAメンズルーペなど、男性でも妊活の第一歩を踏みやすいアイテムが次々と生まれています。
精子のコンディションを改善するサプリメントなども人気で、多くの商品が販売されています。
パートナーと共有する妊活アプリも浸透しています。

何より、SNSやメディアなどで男性不妊に関する情報にたどり着きやすくなりました。妊活に前向きに取り組む芸能人やインフルエンサーも、今では珍しくありません。
彼らの発信する情報のすべてが医学的に正しいとは限りませんが、「妊活を身近に感じる」という点では大きな貢献を果たしています。

妊活男子が当たり前の時代に

妊活に積極的な男性は、今後も増えることが予想されます。パートナーを大事にする男性だけが結婚する時代に入った現在では、自然の流れでしょう。

しかし、なかなか積極的に妊活に協力しない男性が少なくないことも事実です。
パートナーが妊活に消極的なら、妊活男子の増加について教えると効果があるかもしれません。妊活アイテムや生活習慣の改善なども、相手の負担にならない程度に、さりげなく提案しましょう。
そのためにも、ぜひパートナーとはリラックスできる関係を築きましょう。これからの妊活は、パートナーとのコミュニケーションが成功の秘訣になるでしょう。



参考サイト

ロート製薬 みんなの妊活

国立社会保障・人口問題研究所 人口統計資料集 表6-4 性,年齢(5歳階級)別初婚率:1930~2023年

TENGA メンズルーペ

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