千葉県で行われている不妊関連の助成は、令和7年度(2025年)現在「先進医療として行われる不育症検査費助成事業」のみです。
しかし一部の自治体では不妊治療の先端医療の助成などを補助するところもあります。中には男性の不妊検査の助成など、特色のある自治体もあります。
今回は千葉県で不妊治療・不育治療・各種検査の助成がある自治体を紹介します。
※この情報は令和7年度(2025年4月~2026年3月)現在のものです。今後は助成内容が変更する可能性があるため、必ず事前に自治体のHPをご確認下さい。
千葉県が助成する「先進医療として行われる不育症検査費助成事業」とは?
千葉県では先進医療の不育症検査のみ助成があります。独自の助成制度がある自治体を除き、千葉県民は千葉県に申請します。
「先進医療として行われる不育症検査費助成事業」
先進医療にカテゴライズされている不育症検査に適用されます。
流産、死産したお子様のご検体に対する遺伝子検査、抗ネオセルフβ2グリコプロテインI複合体抗体検査(令和7年6月1日以降に実施した検査のみ)に適用される助成です。
1回の検査にかかる費用の7割(上限6万円)が助成されます。助成回数、女性の年齢、所得制限はありません。
「先進医療として行われる不育症検査実施機関」として厚生労働省に届出または承認がなされている医療機関が助成の条件です。不育検査の前に、検査を受ける予定の医療機関をご確認下さい。実施機関の場合はHPなどに必ず記載されています。
千葉市、船橋市、柏市に住民票がある方は、手続きは各市になります。それ以外の方は検査を受けた年度内(4月1日~翌3月末の間)に、千葉県健康福祉部子育て支援課 母子保健班宛てに書類を郵送して下さい。(保健所ではありません)
助成は市町村が優先されるため、各自治体ですでに助成を受けている場合は千葉県の助成は受けられません。しかし、千葉県の助成対象の検査費用から市町村の助成を除いた自己負担分がある場合に限り、千葉県の助成を受けることができます。
参照:千葉県 不育症について
先端医療の補助がある自治体も!
千葉県の自治体は埼玉県などに比べると独自の助成がある自治体は少なめですが、12の自治体で不妊治療や検査の助成が行われています。
※成田市は特定不妊治療助成を令和6年(2025年3月末)で終了しました。
千葉市
一般的な不育症検査と、先進医療の不育症検査の助成があります。先進医療の内容は千葉県と同じです。
「千葉市不育症検査費助成事業」
抗リン脂質抗体検査、凝固因子検査など、一般的な不育検査に対して助成されます。
不育症の検査のうち、「保険適用外の検査」の医療費の50%を助成します。(上限額10万円)
所得制限があり、前年分の「夫婦の合計所得730万円未満」の方に適用されます。(1月1日から5月31日までの申請については、前々年分の所得)
女性の年齢に制限がある(検査時に43歳未満)ことも特徴です。
助成回数は1年度につき1回、通算助成回数の制限はありません。
船橋市
不育症検査費助成事業があります。1回の検査につき、不育症検査の7割を助成します(上限6万円)。条件や内容は千葉県と同じです。
松戸市
妊治療(先進医療)への助成事業があります。保険診療と併用した先進医療にかかる費用の7割を助成します(上限3万円/回)
助成回数は治療開始時点で40歳未満の女性は1子につき6回まで、40~43歳未満の女性は1子につき3回までです。出産、または12週以降の死産で回数はリセットされます。
治療が1回終わるごとに書類を作成、提出する必要があります。
1回の治療のカテゴリーや提出期限など、詳細は参照をご確認下さい。
市原市
不妊治療(先進医療)の助成事業があります。保険診療と併用した先進医療に要した費用の一部を助成します。金額、条件などは松戸市と同じです。
市原市は妊娠、出産の手当てが厚く、多胎妊婦健康診査費用助成なども行っています。不妊治療で双子が授かることは珍しくないので、事前に確認しておけばより安心できるでしょう。
浦安市
不育症検査・治療費助成事業があります。不妊検査・治療開始から1年間に要した自己負担分を助成します。(上限5万円・夫婦1組1回まで)
浦安市は「男性不妊検査費の助成」もあります。「男性の」不妊検査にかかった費用に対して、年度内上限1万円を助成します。
参照:浦安市 不育症検査・治療費助成
参照:男性不妊検査費の助成
柏市
不育症検査費助成事業(先進医療)と、特定不妊治療費(先進医療)助成事業があります。先進医療に係る検査・治療費の一部を助成します。
特定不妊治療費(先進医療)助成事業は、不妊治療の先端医療にかかる費用の7割(最大3万円)を助成します。助成回数や条件は松戸市と同様です。
不育症検査助成の内容は、千葉県と同じです。
柏市では他にも「風しん抗体検査の全額助成及び予防接種の一部費用助成」も行っています。すでに医療機関で風疹抗体検査を行っている場合は、払い戻しの手続きを行うことができます。
検査対象は妊娠希望する女性と、同居する家族です。
参照:柏市不育症検査費助成(先進医療)
参照:柏市 特定不妊治療費(先進医療)助成事業
野田市
野田市は千葉県の自治体の中でも、飛びぬけて助成が手厚いのが特徴です。「不妊治療費助成事業」と「不育症治療費助成金支給事業」があります。
どちらも先端医療だけでなく、医療保険適用の治療や検査にも助成されるのが特徴です。
「不妊治療費助成事業」は1回の治療につき上限20万円を助成します。助成回数の制限はありません。
ただし凍結胚の管理費用は適用されません。
不育症検査の助成は上限30万円です。高額医療費制度など、他の助成を受けた後の金額に適用されます。
参照:野田市 不妊治療
参照:野田市不育症治療費助成金支給事業
富里市
冨里市も不妊治療助成が手厚く、「不妊症治療費助成事業(先進医療)」「不育症治療費助成事業」の2種類があります。保険診療と併用した先進医療費や検査費の一部を助成します。
不妊治療費助成は、1回につき7割を助成します。(上限5万円)助成回数や条件は松戸市と同様です。
不育症検査助成は不育症の検査、治療費用の5割(上限10万円)を助成します。
ただし、助成条件が厳しいことも特徴的です。夫婦の双方または一方が富里市に居住し、「1年以上前から継続して」富里市の住民基本台帳に記録されていることが条件です。引っ越したばかりでは申請できません。
袖ケ浦市
不妊治療費助成制度があります。一般不妊治療・生殖補助医療に係る自己負担分の一部(自己負担の1/2、年度上限5万円等)および男性不妊検査費の一部を助成します。
参考URL:袖ケ浦市 不妊治療にかかる費用の一部助成
香取市
野田市に並び、助成が特に手厚い自治体です。
不妊治療費助成と不育症治療費助成事業の2種類があります。
保険外の不育症治療等に要した費用の5割(上限30万円、1回のみ)など、所定の要件で助成します。
不妊治療助成は治療費の5割(上限5万円)を2回まで助成します。
ただし助成要件は厳しく、申請時に夫婦ともに香取市に住民票が1年以上在籍している、夫婦とも公的医療保険に加入し、市税の滞納がないことが求められます。
他にも多胎妊娠の妊婦健康診査助成もあります。
参照:香取市 不育症治療費等助成事業
参照:香取市 不妊治療費等助成
栄町
不妊治療・不育症治療費助成事業があります。一般不妊治療から高度不妊治療、不育症検査、治療の50%を助成します。
不妊治療は上限15万円、不育治療は上限10万円です。
健康保険に加入し、町税の滞納がないことが条件です。
他にも風しん抗体検査で、検査を無料で受けることができます。(接種は実費)
南房総市
不育症の検査・治療費助成事業があります。保険外の不育症検査・治療の一部を助成します。(1年度に30万円まで)
婚姻していること(事実婚はNG)、「妻が」申請日において本市に住所があり、本市の住民基本台帳に1年以上継続して記録されていることが条件です。
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