不摂生、睡眠不足、ホルモン不足。どれも基礎体温表が乱れやすい原因です

妊活コラム


基礎体温表は、規則正しい生活をしている健康な人でも安定しません。
寝ている部屋の温度や条件などで、簡単に上下するのが基礎体温です。うっかりベッドから起きるだけでも筋肉を使い、その筋肉から熱を発します。そのわずかな熱も、婦人体温計は見逃しません。
見本のようにきれいなグラフになる人の方がずっと少ないのは、このためです。

だから「注視しないといけないポイント」さえクリアできれば、グラフが少々ガタガタしても問題ないと考えます。

しかし、明らかに妊活に悪影響がある基礎体温表になった場合は対策が必要です。
基礎体温表が乱れやすい原因とは何でしょうか。

寝不足はホルモン分泌を乱れさせる

つい深夜まで起きてしまい、睡眠時間が数時間だけ、という事は誰にでもあるでしょう。しかし、1日くらいならともかく、寝不足が習慣化すると基礎体温表は大きく乱れます。

正確な基礎体温を測るには、最低4時間は眠らないといけないとされています。
眠った直後はまだ筋肉から出る熱エネルギーが残り、完全に冷えるまでには時間がかかります。
休んだ直後はまだ身体が半分覚醒しているので、そのエネルギーで発熱するのも原因です。
これでは正確な基礎体温は計測できないでしょう。

寝不足の悪影響は、それだけには留まりません。
厄介なのは、寝不足や不規則な生活を続けると、女性ホルモン分泌に悪影響を与えることです。
ホルモン分泌を調整する司令塔は、脳の視床下部という場所です。
視床下部は睡眠中に卵巣などに働きかけ、ホルモンの調整を行います。しかし、寝不足や不規則な寝起きは視床下部が調整ミスを起こしやすくなり、ホルモン分泌調整力が落ちてしまいます。
そうなると卵巣への指令が乱れ、ホルモン分泌が不安定になると考えられています。

ホルモン分泌が乱れると眠りが浅くなりやすくなります。
そうなると、ますます視床下部が混乱してホルモン調整力が乱れ…と、悪循環に陥ってしまいます。
そうなる前に、出来る範囲で「早寝、早起き」を習慣付けましょう。

夜勤などがある仕事の方は就寝時間が不規則になりがちです。
無理のない範囲で夜勤は夜勤、昼勤は昼勤、と続けることで、若干ですが悪影響を減らすことができます。



女性ホルモン不足は基礎体温表に現れやすい

基礎体温表でよく見られる異常は、高温期です。
高温期が続いているのに、ある日だけガクッと体温が下がるグラフになることがあります。これは黄体ホルモン不足(黄体機能不全)の時によく現れるグラフです。
高温期が短い(9日以下)ことも、典型的な黄体ホルモン不足のサイン。このような基礎体温表になった時は、できるだけ早く婦人科に相談しましょう。

黄体機能不全は、加齢などが主な原因です。どれだけ健康的な女性も、加齢で卵子の元になる細胞は年を重ねます。
歳を重ねた卵子の細胞は力不足で、黄体機能不全を起こしやすくなります。
不妊治療では黄体ホルモン剤などを使うことで、妊娠継続できる力を補います。

黄体ホルモン(プロゲステロン)は、卵子を排出した卵胞のカラから分泌されるホルモンです。
卵胞は卵子を育てるための組織で、卵胞ホルモン(エストロゲン)のはたらきで卵胞が大きく成長します。
卵胞が大きくなると卵子も成熟し、十分に成熟したタイミングで排卵を促すホルモン(LH)が分泌され、排卵します。

黄体ホルモンには基礎体温を上げる作用があります。排卵後に基礎体温が上がるのはこのためです。
基礎体温を上げることで妊娠しやすい身体に変化します。むくみやすい、頭がぼーっとして集中できない、昼間でも眠いなどの症状も起こしますが、これらはすべて「妊娠に備えた働き」です。
嬉しくない症状もありますが、妊娠する下準備のためと思えば仕方ないと思えるかもしれません。仕事でどうしても休めないときはコーヒーなどカフェイン飲料を飲んで、無理に覚醒させるのも仕方ないですが、できるだけ辛い時はしっかり休みましょう。

卵胞が若く元気なら、黄体ホルモンを十分に分泌することができます。
しかし卵胞が老化すると、妊娠に必要なだけの十分な黄体ホルモンが分泌されなくなります。それがM字グラフや高温期の短さとして、基礎体温表に現れます。

黄体機能不全の改善は、自力では不可能です。
唯一の解決法は婦人科で治療を受け、黄体ホルモン剤を投与することだけです。
黄体ホルモン剤を服用すると、基礎体温表は絵に描いたような美しいグラフになります。普段の体温が上がることが実感できる方もいるほどです。
上記のような基礎体温表になった場合は、早急に病院に行きましょう。

まとめ

基礎体温表の乱れは、自力で解決できることと、できないことがあります。
睡眠や食事などは、自力で改善できます。無理のない範囲で改善していきましょう。

しかし、高温期にグラフが上下にガタガタする、高温期らしき基礎体温にならない場合は、自力での妊娠は非常に厳しくなります。
年齢が若くても黄体機能不全になる方は珍しくありません。病院に行く、というのは緊張しますが、放置しても妊活が成功する可能性は非常に低いと思えば、通院する勇気が出るはずです。



参考サイト

オムロン 基礎体温がガタガタで、見本のようなきれいな二相になりません。何か問題があるのでしょうか。
オムロン 仕事が忙しいのですが、睡眠不足は女性ホルモンの分泌にも影響しますか?
厚生労働省eヘルスネット 女性の睡眠障害
ヘルスケアラボ 基礎体温

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