妊活中にはなかなかイメージが掴めないかもしれませんが、妊娠はある日突然訪れます。そして、その日から妊娠期という新たなステージが始まります。
妊娠中は身体や生活のリズムが大きく変わるため、事前の準備が重要です。ぜひ今から妊娠したら何をすべきか事前に把握しておきましょう。
妊娠をしたら赤ちゃんが最優先の生活になります。生活のさまざまなシーンで無理ができなくなり、つわりで気分が悪くなることもあります。
妊娠中の準備を今からしておくことは、未来の自分を助けることにつながります。
プロゲステロンの作用で、身体が急激に変化します
妊娠が成立すると黄体ホルモン、プロゲステロンが大量に分泌されます。
プロゲステロンは妊娠しやすくなるように働きかける作用があります。体温を上げ、水分を体内に留めるはたらきがあります。流産しにくいように、腸のうごきを鈍くする作用もあります。
そのため、妊娠したら眠気やだるさ、すぐ疲れる、身体のむくみ、便秘になりやすくなる、なんとなく熱っぽいなど、さまざまな症状が表れます。
早い方は妊娠成立して間もなく(妊娠5週目ごろ)から「つわり」が始まります。吐き気や食欲不振、食べ物のにおいに拒否反応を示すなど、さまざまな症状が表れます。あまり気にならないほど軽いこともありますが、日常生活を送ることが難しくなり、入院を余儀なくされることもあります。
妊娠が判明したら、その日から赤ちゃん第一で動きましょう。辛いときは無理せず休む、眠いと感じたら短時間でも寝るなど、身体をしっかり労りましょう。
仕事中心の生活を送っていた人ほど、気持ちの切り替えに戸惑うかもしれません。しかし大切な赤ちゃんの命を守るためにも、ご自身の体調を第一に考えましょう。
妊娠成立後のスケジュールと出産する病院を決める
陽性判定を受けても、必ずしも赤ちゃんがそのまま成長するとは限りません。初期流産をするリスクは一定確率であります。
そのため、不妊治療で陽性判定を受けても7週ごろまでは不妊治療を受けた病院で経過観察を行います。そして8週ごろに紹介状を書いてもらい、一般の産婦人科に転院するのが一般的です。(転院をするタイミングは病院や症例により異なります)
安心して出産するためにも、医療機関への出産予約は、できるだけ早く行いましょう。
昨今は少子化で産科を閉じる医療機関が多く、地方では特に深刻な産科不足に陥っています。
ご実家で出産する「里帰り出産」を希望する場合は、妊活中の段階から情報収集をして、どのタイミングで出産予約を取るべきか確認しましょう。
特に、産科に転院する妊娠8週ごろは、つわりのピークを迎える時期です。辛くてあれこれと調べる気力が沸かなくなるかもしれません。イザという時のために、事前にできるだけ情報収集をすることをおすすめします。
産科が多い大都会でも安心して出産できる医療機関は受け入れ人数に制限があります。妊娠が分かった時点で出産予約を入れなければお断りされることがあります。イザという時に慌てないためにも「この病院で産む」と候補を決めておきましょう。
感染対策はより入念に!妊活中の今のうちにワクチン接種を
妊娠中は免疫が低下して、さまざまな感染症に罹りやすくなります。
妊娠中は新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすく、入院や重い後遺症が残るおそれがあります。
屋内や人が多い場所では必ずマスクを着用する、手洗いや手指消毒を定期的に行う、できるだけ三密(密集、密接、密閉)回避など、基礎的な感染対策をより綿密に行う必要があります。会食も感染流行期は控える、それ以外の時期でも屋外のテラス席や換気の良い個室を選ぶなど、「感染しない、させない」対策を万全に行いましょう。
妊娠中でもコロナワクチン(m-RNAワクチン)の接種はできるので、安定期に入ったら接種を検討しても良いかもしれません。
感染症はコロナウイルスだけではありません。特に、風疹に感染するとお腹の赤ちゃんに先天性の障害を負う可能性があります。
不妊治療を受けている医療機関で風疹麻疹抗体は調べているはずですが、もし陰性なら妊活中のうちにワクチンを接種して抗体を付けましょう。風疹麻疹ワクチンは生ワクチンなので、妊娠中は接種できません。
周囲へ報告するタイミングを考える
一番難しいのは、職場の同僚や上司に妊娠を報告するタイミングです。
第三者へ報告するのは流産するリスクが下がる安定期に入ってからが理想ですが、体調不良の時期に黙っているのは辛いでしょう。
すでに不妊治療を打ち明けている人には、転院するタイミングで伝えても良いでしょう。先に仕事の権限がある上司だけに報告して、職場の人全員に伝えるのは安定期に入ってからなど、臨機応変に対応しましょう。
明確な答えはないですが、つわりの辛い時期を乗り越えるためにも、最低限でも上司には早めに報告をしたほうが良いかもしれません。
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