体外受精と聞くと人工的に受精させるようなイメージを抱きませんか?そしたら人工授精とどこが違うのだろうという疑問をもつ方もいらっしゃると思います。
そこで今回は人工授精と体外受精についてご説明します。
人工授精とは
人工授精は不妊治療の初期段階で行う不妊治療方法です。人為的に採取した精子を子宮内に直接注入することで精子と卵子が出会う確率を高めます。
精子の雑菌などを取り除くために洗浄したあとで濃縮してから子宮内に注入します。
注入された精子が卵子と出会い、受精⇒着床⇒妊娠に至る過程は自然妊娠と同じです。
人工授精は英語でArtificial Insemination(AI)といい、Artificialは人工という意味であり、Inseminationには種子を植えるという意味があります。
タイミング法を行ってもうまくいかない場合や、男性の精子量などに問題がある場合、女性生殖器の問題によって子宮内への精子の通過が困難な場合に行われる治療法です。
人工授精は心身への負担が少ないこと、費用が比較的安価、毎週期ごとに行えるという利点があります。
人工授精で妊娠する方の90%は4~6回で成功するといわれています。そのため人工授精を4~6回を目安として、それでも妊娠できなければ次のステップである体外受精に進みます。
体外受精とは
膣から針を刺して卵巣から卵子を体外に取り出し、精子とシャーレの中で合わせて自然受精をさせ、数日培養した胚を妊娠しやすいタイミングで子宮に戻します。
体外受精は英語でIn Vitro Fertilization(IVF)と言います。In Vitroは生体外もしくは試験管内という意味であり、Fertilizationは受精という意味です。
タイミング法、人工授精と不妊治療をステップアップしてきても妊娠に至らない場合、または両方の卵管が閉塞している場合や、高度乏精子症や精子無力症などの場合に行われる治療法です。
体外受精は人工受精やタイミング法などの不妊治療と比べて高い妊娠率が期待できます。なぜ妊娠率が高いかというと、妊娠するためには下記のすべてを満たす必要があります。
①精子が子宮に入る。
②卵子が排卵される。
③排卵された卵子が卵管采にピックアップされる。
④精子と卵子が受精する。
⑤受精するまでに必要な精子の数と運動率がある。
タイミング法では①~⑥のどれも満たしていません。
人工授精の場合は①を満たしますが、他の条件は満たしていません。
体外受精の場合は①~④を満たしているため、タイミング法と人工授精とくらべて高い妊娠率が期待できるというわけです。
受精と授精の違い
受精と授精は漢字が違うようにそれぞれ意味が違います。
精子を子宮や卵子の中に人工的に入れることを「授精」といい、精子と卵子が出会い結合することを「受精」といいます。
どちらも読み方は「じゅせい」ですが意味合いは微妙に違います♪
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