意外と見落としがちですが、不妊治療で病院に通うと、加入できる医療保険に制限が入ります。
理由は「通院」と見なされるため。
民間の医療保険は健康で、病院と縁が遠い方ほど価格が安く、選択肢が増えます。
通院が始まると選択肢が狭くなるので、病院に行く前に保険の見直しを検討しましょう。
不妊治療は「通院」扱い
自己流で妊活をしてもなかなか授からない時は、婦人科で検査をするのが基本。
特に、女性は加齢で健康な人でも妊娠する力が衰えていくため、できるだけ早めに病院で検査をすると良いでしょう。
多くの場合は検査結果をもとにして、不妊治療が始まります。
しかし、この時点で医療保険では「通院」とみなされ、条件の良い保険が選べなくなります。
「病院に行く前に」条件の良い医療保険に加入する、または見直すのがベストタイミングです。
妊活で悩んでいる時に保険の見直しなんて気が回らないものですが、それを知らずに入りたかった保険に入れなくなるのは、勿体ないことです。
健康を損ねて通院しているわけではないので、なんとなく「通院している」印象がないですが、不妊治療を始めると医療保険加入で不利になることはぜひ覚えておきましょう。
妊娠中も加入できない医療保険は多い
妊活のゴールは無事に赤ちゃんを出産することです。
日本の医療制度では2023年現在、「妊娠は病気ではない」という運用がされています。現在、保険適用に向けて政府が動いていますが、財源など問題もあり、いつ実現するか分からないのが現状です。
しかし民間保険は甘くありません。保険会社としては、できるだけ病院の世話にならない、リスクが低い人に加入してほしいからです。
妊娠中はトラブルが起こりやすく、妊娠トラブルで入院や通院になることは珍しくありません。
何より出産は命がけ。
医療従事者の皆様の努力や技術向上で死亡事故は大幅に減りましたが、それでも確実に無事な保証はないのです。
そのため、民間医療保険は妊婦の加入はNGになることが多いのです。
不妊治療が成功するか、そうでないかは誰にも分かりません。
しかし、成功しても医療保険の問題は出産後まで続きます。できるだけ「通院前に」保険の見直しを行いましょう。
不妊治療を始めてからでも入れる医療保険もあります
しかし、医療保険に気付かずに不妊治療を始めても問題はありません。近年は、通院中でも加入できる保険が増えています。
「引受基準緩和型保険」という種類の保険で、加入条件が緩い代わりに、保障が少ない、保険料が割高という傾向があります。
中には「妊娠が判明してから入れる」保険商品もあり、妊娠期間でも手厚い保険に加入できます。
ただし、保険加入前に見つかった病気の保障は受けられません。たとえば、子宮頚管が短く、早産リスクがあると分かった時点で保険に加入しても、それが原因で絶対安静で入院しても保険は下りません。(保険加入後に子宮頚管が短いことが判明した場合は、入院費用が下ります)
これらの保険は保障の内容のわりには割高な傾向があります。
安価な保険だとカバーできる内容が限られる、保険が下りても額が少ないのが基本です。
通院中は入院などのリスクが高いので、保険の選択肢が狭まります。不利な条件でも良ければ保険商品はあります。
既存の保険でも「特別条件付」で加入できるケースも
通院中でも、既存の保険に「特定条件付」で加入できることがあります。
すでに判明している病気や、患部に関するトラブルは保険が下りないという条件で、加入が許されるケースもあります。
保険会社も商売なので、一人でも多くの人に保険商品を売りたいという思いがあります。保険会社にメールなどで問い合わせをして、特定条件付きで加入できるか確認しましょう。
気を付けたいのは、加入を決めるのは保険会社であり、あなたの要望が必ず通るとは限らないところ。
あなたから要望は出せますが、必ずしも保険会社が承認するとは限りません。特定条件付きでも断られる可能性があることを承知した上で問い合わせてみましょう。
問い合わせ時には「なぜ通院しているか」「いつから通院しているか」を詳細に記載しましょう。
絶対にやってはいけないのは、通院していることを隠して契約すること。「告知義務違反」と見做され、保険金が下りなくなります。
正直に相談すれば、対応できる保険会社は見つかります。焦らず複数の保険会社に相談してみましょう。
まとめ:入院リスクが高まる妊娠に備えて
20歳から39歳までの女性は男性に比べて、入院リスクが高い傾向があります。原因は妊娠、出産トラブル。
死亡事故こそ減りましたが、妊娠中にトラブルが起こり入院することは珍しくありません。そして入院をすると、かなりの出費になります。
特に、月をまたいで入院すると、月ごとに入院費を請求されます。
「保険なんてお金の無駄、そのぶん稼げば良い」という考えもありますし、国民皆保険で入院費用も抑えられています。それでも決して安い金額ではありません。
病院に通院する前に、ご家族と話し合って医療保険の加入を検討するのは、決して無駄にはならないでしょう。
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