妊活でよく聞く悩みは「(治療には理解があっても)取り組み方に夫婦で温度差がある」ことです。
程度の差はあっても、
「妊活を始めたのに、夫が楽天的すぎて真面目に協力してくれない」
「妻の気持ちが重くて、会話するほどギクシャクする」
「協力してほしいだけなのに、責めているように伝わってしまう」
という悩みは、どのカップルでも珍しくないでしょう。
始めは些細な気持ちのすれ違いでも、それが続くと孤立感を深め、夫婦仲に亀裂が入るおそれがあります。
一体どうすれば良いのか途方に暮れ、コミュニケーションを諦めたくなることもあるかもしれません。
「男女でなぜ温度差が出やすいのか」を知ることで、解決の糸口になります。解決は難しくても「なぜそうなるのか」を知るだけでも納得しやすくなるでしょう。
第三者に相談するのも効果的です。パートナーだけで抱え込まず、不妊治療クリニックの相談窓口やカウンセラーに相談することも大切です。
妊活では、治療への理解があっても夫婦の「温度差」に悩むケースが多く、些細なすれ違いが続くと孤立感や関係悪化につながりやすくなります。背景には、妊娠・出産を担う女性とサポートする男性の立場の違い、治療負担の偏り、ストレス表現の差があります。女性は共有や共感を求め、男性は黙って距離を取る傾向があり、これが誤解を生みやすい要因になります。また、性行為が「義務化」すると男性に強いプレッシャーがかかり、プライドが傷つくこともあります。改善には、すれ違いのパターンを理解し、無理に話し合いにこだわらず、アプリで情報共有するなど感情を介さない工夫も有効です。夫婦だけで抱え込まず、必要に応じてクリニックやカウンセラーに相談することも大切です。
温度差が起きるのは、むしろ当たり前?男女の立場の違い
妊活に限れば、夫婦で温度差が出るのはむしろ自然なことです。自ら妊娠、出産する女性とサポートする男性では、立場や妊娠への実感が全く異なります。
妊娠、出産は女性だけが体験します。男性はサポートできますが、自分の身体の中で赤ちゃんを育てることはできません。「すれ違いがあって当たり前」という意識を持つだけでも冷静になれます。
治療や検査の男女差
不妊治療も、重度の男性不妊でなければ通院や投薬は女性の方が多くなります。検査だけでも男性は原則1回で済むのに、女性は月経周期に合わせて4回以上行います。
女性は子宮検査やホルモン剤の注射など、身体への負担が高い治療や検査が多いのも特徴です。通院の疲労や薬の副作用などで心身とも消耗し、不安や焦りが強くなりやすい時期です。
妊活は夫婦で行うといっても、妊娠する側の女性の当事者意識が高くなるのが自然です。
「ストレスの表現方法」は男女で違いがあります
個人差はありますが、女性は不満があると仲間と共有したい、男性はじっと沈黙する傾向があります。
女性は不安や不満が強いと、仲間に「気持ちを分かってほしい」「一緒に考えてほしい」と会話や共感を求める傾向があります。男性は何を言えばよいか分からない、解決策を出せないと感じるほど黙り込み、話し合いを避けることがあります。
問題解決で「話して近づきたい」と「距離を取り冷静さを取り戻したい」の違いがあることを自覚すれば、愛情不足ではなくストレス反応の違いで起こり得ます。
この違いが生む反応を知らないと喧嘩の元になりかねません。じっくり考えたいのに妻がやたらと話しかけてくる、夫と話し合いたいのに黙ってばかり、と互いに不満が募るばかりです。
思い通りの反応がなくても「そういうもの」と知るだけで、険悪化を防ぐことはできるでしょう。
三大欲求も「義務化」はプレッシャーに
男性にとって、タイミングを取るというのは大きなプレッシャーになります。その理由は女性でもある程度は理解しやすいでしょう。
食欲、性欲、睡眠欲は人間の三大欲求と言われ、人を突き動かす根源の感情です。
この3つは必要不可欠なものですが、自発的に行わないと義務感に襲われ、大きなプレッシャーになります。
食欲で考えてみましょう。お腹も空いていないのに苦手なメニューを出されて完食しなさいと言われ続けたら、どう感じるでしょうか。やがて食事が楽しめなくなり、食が細くなってしまうでしょう。
真夜中に目覚めてしまい、寝ようとしてもなかなか寝付けず焦ってしまう…ということは誰でも経験したことがあるでしょう。睡眠欲も自分が寝たいときに寝る、起きたいときに起きる、ができないとスッキリ目覚められなくなります。
性欲も同じです。月経周期に合わせてタイミングを取る、というのは、満腹なのに食事を残さず食べないといけないのに似ています。
男性の場合は、不妊がプライドを傷つける、沽券にかかわると考えることも珍しくありません。
病気は病気であり、恥ではないという意識の切り替えが大切ですが、感情はそれほどシンプルではありません。生殖に関わる感情は根が深く、理性だけで意識改革することが難しい領域です。
すれ違いパターンを知ることが、関係悪化を防ぐ第一歩
具体的には、夫婦間のすれ違いはどのように改善していくべきでしょうか。
一般的には「定期的に話し合う場を持つ」ことを提案されています。月に1回、お互いが辛いと思うことを伝えて誤解を解くと良いとされています。
しかしこれもすべてのカップルに向いているとは限りません。直に話し合うと感情が爆発して、ますますすれ違いが悪化するリスクがあります。
妻は「私ばっかり頑張ってる」と孤立を深め、夫は「(努力しているのに)何をしても足りないと言われる」と不満を高まりがちです。このような状態では会話するほど互いに傷つき、避けられてさらに溝が深まる、という悪循環になりかねません。
直接話し合いよりもアプリで自動的に情報共有する方がスムーズに行くこともあります。
たとえば、家族で共用するスケジュール管理アプリで排卵日を自動的に伝えることもできます。月経周期が安定していなければ難しいですが、「面倒なことはシステムに任せる」ことで感情をなるべく排除することはできます。
「妊活で夫婦間の意識のずれが生じるのは当たり前」
と考えると心が楽になるかもしれません。
その事実を踏まえて話し合うことで納得できること、できないことの区別がつき、互いに心地よい距離感を保つことができるでしょう。
ただし、夫婦だけで調整しきれないほどつらい場合は、不妊治療を行うクリニックやクリニック附属のカウンセラーに相談しましょう。関係が改善、安定することもあります。
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