不妊治療の助成が手厚い自治体は?(東京都・23区以外の市町村)

妊活コラム

前回は東京都と東京23区の不妊治療助成を紹介しました。今回は23区以外の市町村の助成を紹介します。

23区では独自の助成制度がある区は限られていますが、市町村も同様です(島しょ部除く)。妊活を検討する方は、居住地選びの一つの判断材料になるかもしれません。ただし助成制度はある年度で改変や終了となることがあります。
島しょ部は島内に不妊治療の医療機関がないことが多く、多くの自治体では交通費を含めた手厚い助成制度があります。

東京都内の多くの市町村では、東京都の助成を受けた後に、市町村独自助成の申請資格が得られる仕組みです。
「東京都の助成を申請」→「助成終了後に市町村の助成を申請」というフローで申請します。申請期限が迫っている場合は「事前に」市町村の窓口に相談しましょう。
申請期限を過ぎてから相談すると、助成が受けられなくなることがあります。

この情報は令和7年度(2025年)現在のものです。申請前に、お住まいの自治体公式サイトをご確認ください。東京都の助成は「不妊治療の助成が手厚い自治体は?(東京23区編)」にて解説しています。
(最終確認日 2026年2月18日)



東京都の市町村が実施する不妊治療助成

東京都の市町村では、12の自治体で独自の不妊治療助成制度があります。すべて都の助成からの差額を助成します。
申請期限は原則、東京都の助成事業の承認決定日から1年以内です。(一部の自治体は3ヶ月以内など例外があります)

多摩地域・西多摩地区/h3>

立川市

・体外受精など特定不妊治療(高度不妊治療)のうち、先進医療の一部を1治療あたり最大5万円を助成します。都の助成金額の差額を助成します。
立川市の特色は「年齢制限や回数制限を超えて自費診療になった治療費用の一部」も助成するところです。
ただし、特定不妊治療の開始日が令和6年4月1日以降で女性の年齢43歳未満であることが条件です。

参照:立川市特定不妊治療医療費助成金

青梅市

青梅市は体外受精など特定不妊治療(高度不妊治療)のうち、先進医療の一部を1治療あたり最大5万円を助成します。都の助成金額の差額を助成します。
特定不妊治療(先進医療)を受けた方、または配偶者が東京都の申請日時点から現在まで青梅市内に住所があることが条件です。

参照:青梅市特定不妊治療(先進医療)助成金・東京都助成制度

東村山市

不妊治療の独自の助成はありませんが、先天性風しん症候群対策で風疹の予防接種事業があります。東村山市に住民登録がある19歳以上・妊活中の女性と同居するご家族が対象です。
対象外のケースもあるので、詳細は公式サイトをご参照ください。
・風しん抗体検査は無料
・(風しん抗体検査で陰性の場合は)ワクチン接種費用の一部助成

参照:先天性風しん症候群対策事業(抗体検査事業)

参照:先天性風しん症候群対策事業(予防接種事業)

福生市

体外受精など特定不妊治療(高度不妊治療)のうち、先進医療の一部を1治療あたり最大5万円を助成します。都の助成金額の差額を助成します。

参照:福生市特定不妊治療費(先進医療)助成事業

東大和市

都の助成に上乗せして、一定額を助成します。助成額は数万円ほどですが、多くの治療や検査に広く薄く支援します。
不妊検査・一般不妊治療
•東京都の助成金額を差し引いた金額を助成
•上限:10,000円
不育症検査
•東京都の助成金額を差し引いた金額を助成
•上限:20,000円
▷ 特定不妊治療(体外受精など)
•東京都の助成額を差し引いた金額を助成
•上限:30,000円
参照:東大和市不妊検査、不育症検査及び不妊治療費助成

清瀬市

都内では数少ない、不育症の治療助成を行います。
1年に1回まで、1回30万円を上限に助成します。
不育症検査は助成の対象外です。都に申請しましょう。

ただし助成条件に所得制限があります。ご夫婦の前年度の所得の合算が905万円未満の方が対象です。
治療日と申請時に、ご夫婦どちらも清瀬市に住民登録があること、国民健康保険または社会保険各種公的医療保険に加入、市税等の滞納がないことが条件です。

参照:清瀬市不育症治療費助成事業

稲城市

稲城市は体外受精など特定不妊治療と、併せて行った先進医療の一部を助成します。
都では助成対象外の45歳未満までの女性も、助成の対象です。
特定不妊治療(体外受精など)・先進医療
•東京都の助成額を差し引いた額を助成
•上限:30,000円/1回
•回数:女性の年齢が39歳以下は1子あたり6回、40~42歳は1子あたり3回まで
自費診療(女性45歳未満)・先進医療
•上限:30,000円/1回
•回数:無制限

参照:稲城市特定不妊治療医療費助成事業のお知らせ

あきる野市

体外受精など特定不妊治療(高度不妊治療)のうち、先進医療の一部を1治療あたり最大5万円助成します。都の助成金額の差額を助成します。

参照:あきる野市特定不妊治療費(先進医療)助成事業

日の出町

体外受精など特定不妊治療(高度不妊治療)のうち、先進医療の一部を1治療あたり最大5万円を助成します。
東京都から特定不妊治療(先進医療)を受けた方(配偶者でも可)で、東京都へ申請した日から、日の出町へ申請する日まで引き続き日の出町に住所があること、町税などの滞納がないことが条件です。

参照:日の出町特定不妊治療費(先進医療)助成制度

奥多摩町

東京の本土にある自治体の中では、特に助成が手厚い自治体です。不妊検査と不妊治療の医療費を助成します。

不妊検査: 1年あたり最大50,000円
不妊治療: 1年あたり最大150,000円

申請条件は戸籍上の夫婦であること(事実婚は対象外)、国保・社保等公的健康保険に加入していることが条件です。

参照:奥多摩町の不妊検査・不妊治療費の助成



助成が手厚い島しょ部

島しょ部は医療資源が限られているため、重い疾患にかかると本土に通院する必要があります。交通費だけでも大きな負担になるため、本土にはない交通費助成制度があります。
過疎地でもあるので、東京都の中でも助成額が手厚いのが特徴です。その代わり助成条件が厳しいので、事前に必ず確認しましょう。

神津島村

幅広い助成対象がある自治体です。検査、一般不妊治療、特定不妊治療を幅広く助成します。
不妊検査・一般不妊治療
•自己負担分の半額を助成
•上限:50,000円
•回数:1年度につき1回まで
特定不妊治療(体外受精など)
•東京都の助成額を差し引いた残りの自己負担分の1/2を助成
•上限:100,000円/1回
•回数:1年度につき2回まで
提出期限は、治療終了日、または東京都の承認通知日から1年以内です。

ただし条件は厳しく、婚姻から1年以上経過している夫婦で、1年以上神津島村に住所があること、村税等の滞納がない、医療保険に加入しているなど、他の自治体より厳しい傾向があります。
島しょ部のため、本土への交通費も一部助成があります。(詳細は後述)

参照:神津島村不妊治療費等助成事業実施要綱

御蔵島村

御蔵島村は不妊治療だけでなく、不育症治療の助成もあります。東京都の島しょ部で不育症助成があるのは、確認できる範囲では御蔵島村のみです(令和7年度時点)。

一般不妊治療、特定不妊治療
•上限:100,000円
•回数:1年度につき1回まで
不育症治療
•上限:100,000円
•回数:1年度につき1回まで
法律婚、または事実婚で、夫婦ともに御蔵島村に住民票があることが条件です。
健康保険に加入している、村税などを滞納していない、助成を受ける治療開始時点で、妻の年齢が43歳未満などの条件があります。

御蔵島村は申請期限が短いので、治療が終了したら早めに申請しましょう。申請期限は治療が終了した日から3ヶ月以内です。

島しょ部のため、本土への交通費も一部助成があります。(詳細は後述)

参照:御蔵島村不妊治療・不育症治療支援事業実施要綱

青ヶ島村

一般不妊治療のみ助成があります。一般不妊治療(タイミング療法~人工授精)のうち支払った医療費を助成します。
•上限:100,000円
•回数:1年度につき5回まで
特別不妊治療の助成は東京都に申請します。

条件は厳しく、青ヶ島村に1年以上住民登録があり、日常生活の拠点も村内にある夫婦が条件です。住民登録だけ青ヶ島村で他のエリアで生活している方は対象外です。村税などの未納がないことも求められます。

参照:青ヶ島村一般不妊治療費助成要綱

本土への通院の補助がある自治体も。島しょ部の「島外通院交通費助成」

東京都には魅力的な島しょ部がたくさんあります。世界自然遺産に登録された小笠原諸島など、東京都では島しょ部に9つの町村があります。
島しょ部は医療機関が限られ、島内で治療が難しい場合は本土まで船で通院しなければなりません。不妊治療を希望する方も同様です。

一部の島しょ部の自治体では、本土までの通院費と宿泊費を一部助成しています。
不妊治療も医療行為なので、通院交通費助成の対象になります。

ここでは公式サイトで確認できた4自治体を紹介しますが、他の自治体も同様の制度があるかもしれません。ここに紹介されていない島しょ部の方は、お住まいの自治体に通院交通費助成があるかご確認ください。

神津島村

神津島村の通院交通費助成は、治療の内容で異なります。
不妊検査・一般不妊治療の場合
■ 交通費助成
•1回の治療につき、往復10回まで
•1回の移動につき、上限片道5,000円
•採精のために夫が通院する1往復も助成対象
■ 宿泊費
•1泊あたり上限3,000円
•1回の治療につき最大18泊
特定不妊治療(体外受精・顕微授精など)の場合
■ 交通費
•1回の治療につき、往復8回まで
•1回の移動につき、上限片道5,000円
■ 宿泊費
•1泊あたり上限3,000円
•1回の治療につき最大11泊
・御蔵島村
1回の治療につき、交通費は往復10回まで、宿泊費は通算18泊まで助成します。
•交通費は1往復につき最大20,000円
•宿泊費は1泊最大5,000円

八丈村

「島外医療機関通院 交通費補助制度」という助成が使える可能性があります。島内医師が島外通院が必要と診断した方が対象です。ポイントを利用した特典航空券等は助成されません。
•助成は羽田空港―八丈村までの往復費の50%(上限14,250円)
•1年度2回まで

参照:島外医療機関通院 交通費補助制度
https://www.town.hachijo.tokyo.jp/kakuka/kenkou/kenko_help.html

青ヶ島村

青ヶ島村から羽田空港までの交通費(実費のみ)の50%が助成されます。上限は、青ヶ島村一般不妊治療費助成の額以内です。

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