肺の病気で性機能障害のリスクが上がる?肺線維症と不妊リスクの関係とは

妊活コラム

不妊の原因は卵子や精子のトラブルなど直接的なものだけではありません。意外な病気が間接的な原因になることがあります。
たとえば糖尿病など基礎疾患があると血管が脆くなり、EDのリスクが上がることが知られています。

しかし間接的に性機能障害を起こす病気は糖尿病だけではありません。近年では肺の病気(肺線維症)があると性機能障害が起こりやすいという研究が発表されました。8割以上の患者に性機能障害があるという報告があります。
肺線維症は肺の組織が厚く固くなり(線維化)、肺から酸素を取り込みにくくなる病気です。なぜ一見不妊とは関係なさそうに見える肺の病気で、性機能障害が起こるのでしょうか。

・意外な要因が不妊に影響することがある
・肺線維症は直接的な不妊の原因ではないが、間接的に影響する
・肺線維症の原因の一つとして考えられる感染症と、その対策や体調管理の重要性

■概要
不妊には卵子・精子の問題だけでなく、意外な病気が間接的に影響することがあります。肺線維症もその一つで、肺の間質が硬くなることで酸素を取り込みにくくなり、息切れや疲労が続く病気です。呼吸は生命維持に不可欠なため、体力を要する性交が困難になり、世界的な解析では患者の8割以上が性機能障害を訴えています。喫煙は大きなリスク要因であり、近年では新型コロナウイルス感染症による間質性肺炎が肺線維症につながる可能性も指摘されています。妊活中は禁煙や感染対策、体調管理が重要で、肺線維症の影響で妊娠が難しい場合には不妊治療を検討するケースもあります。


だんだんと肺が膨らまなくなる「肺線維症」とは

肺の中には肺胞という小さな風船のような組織が張り巡らされています。呼吸をするとこの肺胞に新鮮な空気が送られ、間質という組織を通して毛細血管を流れる赤血球に酸素を送ります。赤血球は二酸化炭素を運び、肺胞から体外へ排出されます。

肺線維症は、肺胞を包む間質という組織が線維化して、肺胞が膨らみにくくなる症状です。肺胞が膨らみにくくなり、毛細血管へ酸素を届けにくくなるため、酸素不足になりやすくなります。息切れや疲れやすさ、咳などの症状が続き、悪化すると日常生活に支障が出ることがあります。悪化したら酸素ボンベを使用して酸素を補う必要があります。
一度線維化した間質は、元に戻ることはできません。悪化することはあっても、根治することは原則難しいのが現状です。(肺移植をする場合もあります)

ヒトは数分呼吸ができなければ絶命してしまいます。生きる上で最も大事な「呼吸」に支障が出る以上、性機能障害に限らず、さまざまな影響が出るおそれがあります。

8割超の患者が性機能障害を訴える

世界各国のデータソースを統合した解析では、74%の患者が性交中に呼吸困難を訴えていることが分かりました。酸素吸入器を付けたままだと雰囲気が損なわれる、薬の副作用で下痢や吐き気などに悩む方も多いとされています。

参照:MEDICAL TRIBUNE 8割超が性機能障害、肺線維症患者の性生活

歩くだけでも息苦しさを感じるほど肺の線維化が進んでいるなら、それ以上に体力が必要な性交に耐えられないのは自然なことでしょう。
肺線維症の影響で妊娠が難しい場合、不妊治療を検討するケースもあります。

新型コロナウイルス感染症は、間質性肺炎の原因になります

肺線維症の原因ははっきりしていませんが、喫煙は大きな原因のひとつと考えられています。喫煙が肺を痛めることは広く知られているところで、妊活をするならまず禁煙は基本です。

現代は、肺線維症のリスクがもう一つ増えました。新型コロナウイルス感染症に感染すると(特に入院が必要なほど重症化すると)間質性肺炎の発生リスクが上がることが知られています。肺線維症は間質性肺炎の一部で、症状が重なることもあります。
新型コロナは1年ほど世界的大流行を起こしていませんが、アメリカで再び患者が増えているという報告があります。
人が多い場所や換気が悪い場所ではマスクをする、換気を徹底するなど、感染対策を改めて見直しましょう。重症化を避けるためにもワクチンの自費接種も検討して良いかもしれません。



参考サイト

MEDICAL TRIBUNE 8割超が性機能障害、肺線維症患者の性生活

難病情報センター「特発性間質性肺炎(指定難病85)」

仙台空港北クリニック 【凶悪な忍者】新型肺炎から回復しても後遺症が残る肺の線維化とは?

医療機関マーケティングディレクター H.R

医療機関マーケティングディレクター H.R

本業では医療機関のマーケティングディレクターとして、複数の医療機関のWebサイト制作および広告運用、Web戦略設計・改善を担当しています。 『みんなの妊活』では、本業で培った医療機関Webマーケティングの知見をもとに、妊活に関する正確で分かりやすい情報をお届けできるよう努めています。マーケティングディレクター歴:12年 担当医療機関数:5施設 得意領域:Web戦略設計、サイト改善(UI/UX)、SEO対策、アクセス解析、広告運用、コーディング

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

医療機関マーケティングディレクター H.R

医療機関マーケティングディレクター H.R

本業では医療機関のマーケティングディレクターとして、複数の医療機関のWebサイト制作および広告運用、Web戦略設計・改善を担当しています。『みんなの妊活』では、本業で培った医療機関Webマーケティングの知見をもとに、妊活に関する正確で分かりやすい情報をお届けできるよう努めています。

人気記事ランキング

  1. 1

    白色以外は危険なサイン?精液の色が変わったときは泌尿器科で相談を

  2. 2

    妊活、どのタイミングで病院にいくべきか

  3. 3

    大人になってから40度近い高熱を出したことがあるけど精子は大丈夫?

  4. 4

    卵子と受精する精子はひとつだけなら、精子の数は少なくてもいいの?

  5. 5

    伝統ある排卵誘発剤「クロミッド」のメリット・デメリット

最近の記事

  1. 肺の病気で性機能障害のリスクが上がる?肺線維症と不妊リスクの関係とは

  2. ホルムズ海峡封鎖が不妊治療に影響する?原油不足による医療問題と対策

TOP
CLOSE