男性も知っておきたい!妊活パートナーの役割とサポート方法①

妊活コラム

妊活は女性が主体的にならなければ成り立ちませんが、男性のサポートが必要不可欠。日常生活からメンタル面まで、お互い支え合わなければ妊活は成り立ちません。
男性がまず知っておきたいのは、不妊に関する基本的な知識です。そして適切に寄り添う姿勢です。不妊は男女とも同じだけリスクがあることを知って、できるだけ生活習慣を改善することが必要です。
ここでは男性が知っておくべき妊活中の役割とサポート方法を紹介します。

まずは知ろう!不妊は自分に原因がある場合も

不妊といえば女性ばかりが責められがちですが、男性側や男女どちらにも原因があります。
WHOの調査では、不妊原因の37%は女性、8%は男性、男女どちらもが原因がある場合は35%という結果になっています。(原因不明5%、調査中に妊娠成立15%)
男性の精子は1回1回で大きくコンディションが変わります。前回は自然妊娠が難しいと考えられるほど成績が悪くても、次は正常値になることも珍しくありません。(逆のケースもあります)
そのため、男性の精液検査は、どれだけ正常でも最低2回は行います。
ただし、全く精子がいない場合は、精密検査に入ります(無精子症)。精子がいても動かない場合は顕微授精という、精子を人工的に卵子に注入する方法でしか妊娠は望めません。

不妊は世界的な傾向で、先進国でも途上国でも不妊の割合はほぼ変わりません。「自然な暮らし」をしているはずの途上国であっても、一定の割合で(約10%)不妊が起こります。
古今東西、世界各国に妊娠にあやかる風習があるのは、そのためです。不妊治療の技術が進んでいる先進国ですら、赤ちゃんが授からないことは珍しくないのです。
健康な女性でも年齢を経るごとに妊娠率は下がります。特に35歳を過ぎると妊娠率がはっきりと下がり始めるので、妊活は(男女とも健康なら)女性が若いほど成功率は上がります。
ただし、排卵障害などは若い女性でも起こる可能性があり、排卵が回復しないと妊娠はできません。自己流の妊活は半年くらいを目途にして、半年経っても妊娠しない場合は「夫婦で」検査を受けましょう。
きちんと性機能があっても、造精機能障害は決して珍しくありません。精索静脈瘤という静脈のコブができると精巣内の温度が上がり、深刻な男性不妊を起こすことがあります。



まずは生活習慣の改善を!

まず、男女ともに今日から辞めたいのはタバコです。(リキッド含む)
タバコに含まれるニコチンは血行を阻害し、男女とも妊娠しにくい体質にしてしまいます。特に煙が出る紙巻きたばこは副流煙で他の人にも悪影響を与えます。
新生児の突然死などを引き起こすため、今のうちに禁煙しましょう。禁煙外来で治療を行えば、禁断症状を抑えながら禁煙できます。

妊活に支障があるのはタバコ、アルコールの習慣と肥満です。これらを改善するだけで妊娠体質に近づくことがあります。(病気が原因の場合は改善しません)
アルコールやカフェインを過剰摂取しているなら量をほどほどに抑えましょう。

併せて行いたいのは運動習慣です。できるだけ毎日1日30分は有酸素運動を始めましょう。一度に30分続けなくても10分を3回などでも効果があると言われています。
パートナーと共にウォーキングする、ヨガや室内運動をするなど、一緒に運動できるのが理想です。仕事でスケジュールが合わない場合は、週末だけでも一緒に運動してはいかがでしょうか。

食事も栄養が偏ると肥満のもとになります。血糖の乱高下は糖尿病リスクを高め、排卵障害やEDなど妊活に悪影響を与えかねません。
仕事の都合で難しいかもしれませんが、できる限りバランスの良い食生活を続けましょう。

男性の場合、精巣を過剰に温めると精液所見が悪化します。サウナや長風呂はほどほどにして、サウナに入る際は精巣を冷やす対策を行いましょう。厚手のタオルをかけるだけでも、ある程度は保護できます。

パートナーのサポートとコミュニケーションを

妊活中の女性はどうしても不安定になりがちです。月経のたびに妊娠の期待を裏切られ、精神状態が悪くなりがちです。
不妊治療は何年も続くこともあります。何年続けても残念な結果になることもあります。努力はもちろん大事ですが、同時に「どこまで続けるか」をある程度はっきり決めておくべきだと思います。
現在は不妊治療の保険適用が始まりましたが、補助治療などは自費になります。相当な金額がかかることには変わりありません。
クリニックでは定期的に不妊治療の説明会を行っています。どのような検査や治療を行うのか、費用はどれだけ必要かなど、おおよそのことが学べるので、ぜひカップルで説明会に行くのもおすすめです。

パートナーが辛そうにしていれば、そっとして無理のない範囲で家事を手伝うことも良いサポートになります。ただ、自分で家事をやらないとストレスになるタイプの女性もいるので、事前に話し合うほうが良いでしょう。
ただ、理不尽に当たり散らされることまで我慢する必要はありません。自分も辛いことをきちんと伝えましょう。



参考サイト

サコダ・レディースクリニック 男性も知っておくべき!夫婦が二人三脚で取り組む妊活成功への道のり

はらメディカルクリニック 不妊症の原因について|不妊症の定義、男女別の原因を詳しく解説

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