今ではほとんどコロナ感染のニュースは報道されなくなりました。
感染拡大当初は高い致死率だった新型コロナウイルス感染症もワクチンの普及が進み、感染してもただちに亡くなる可能性は大幅に軽減しました。
しかし、今でもコロナに感染すると後遺症を発症するリスクがあります。3回感染すると40%の割合で何らかの後遺症を発症し、日常生活に大きな支障が出ます。
重い後遺症を発症すると強い倦怠感に襲われ、仕事や妊活が続けられなくなるリスクが高くなります。今後も感染対策と感染状況の確認は続けるべきでしょう。
しかし、テレビのニュースでは現在の感染状況の報告はありません。
厚生労働省のHPでは毎週定点観測の情報を出していますが、専門性が高く読みにくいのが難点です。
このデータを読みやすく改変したサイトがいくつかあるので、定期的にその情報を自分で確認するのをおすすめします。ここでは新型コロナなど20種類の感染症データの最新情報が確認できるNHKのサイトを紹介します。
毎週NHKの感染症データを確認しましょう
NHKのホームページでは、新型コロナをはじめ20種類の感染症の流行情報を公開しています。新型コロナの感染状況の最新情報は毎週金曜日に更新されます。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/
是非こちらのサイトをブックマークして、毎週確認することをおすすめします。
さっそく覗いてみると、各都道府県に数字と、上下の矢印が表示されています。
この数字は感染者数の総数ではなく、1医療機関あたりの平均患者数を示しています。矢印は先週から患者が増えたか、減ったかを表します。
新型コロナウイルス感染症が感染症法2類から5類に変わり、感染者を直接数えることがなくなりました。2類感染症はすべての医療機関で患者数の全数報告が必要ですが、5類感染症は一定数の医療機関が感染者数を伝えるだけで済むようになりました。(2025年6月現在で全国5,000医療機関)
しかし、たんに感染者数だけを集計して発表しても、正確な感染状況が分かりません。そのため「1医療機関あたりの感染者数の平均値」という数値に変更されました。
この数字はどのように算出されているのでしょうか。
たとえば、ある県で10の病院があって、うち1つの病院が1週間のうちにコロナ患者を7人診た、他の3つの病院がコロナ患者を1人ずつ診た場合は、患者10人/10の病院=1.0人になります。
次の週には2つの病院でコロナ患者を5人ずつ診た、4つの病院で患者を4人ずつ診た場合は、患者26人/10の病院=2.6人になります。この場合は先週より患者数が増え、感染拡大していると考えます。
夏は沖縄から、冬は北海道から患者が増加します
定点観測になり全国の感染者数が見えなくなりましたが、現在でも数値の変化である程度は感染状況を把握することはできます。
新型コロナウイルス感染症は、換気が不十分になりやすい季節に感染が拡大しやすくなります。たとえば猛暑で窓を閉めがちな夏や、寒さで締め切りがちな冬は室内にウイルスが溜まりやすく、感染が広がりやすくなります。
そのため、夏は沖縄から、冬は北海道から数値が上がります。この2つの道県から、北へ南へ感染が徐々に広がっていく傾向があります。
全国平均0.84人で沖縄県の統計が1.93人の場合は、沖縄県で感染が広がりつつあると考えます。
残念ながら、現在のところ新型コロナの定点観測で「この数値になれば拡大期」という指標はありません。インフルエンザの定点観測では10人で注意報、30人で警報という指標がありますが、新型コロナはまだデータが不足しています。
出現してまだ5年しか経っていない感染症なので、データ不足はやむを得ないと思います。
そのため、自分なりの指標を決めておくと良いでしょう。公式な指標ではありませんが、たとえば「1を超えたら感染拡大の兆し?」と判断して、マスク着用や換気の徹底などを行いましょう。
季節に関係なく感染拡大することも
ただし、インバウンド客が多い地域や万博など世界各国から人が訪れる地域は、新しい変異株が流入しやすい傾向があります。季節に関係なくその地域だけ統計数が異常に高くなり、やがて周囲に伝播します。
日本国内で新しい変異株が生まれる可能性もあり、もし感染しやすい方向に変異したら日本国内で爆発的に感染が広がる可能性があります。
現在、東アジアを中心に感染が拡大しているNB.1.8.1という株は、免疫をすり抜ける能力が非常に高く、注意が必要な株です。感染者の中には強い喉の痛みを訴え、「カミソリで切られたみたい」と表現するほど鋭い痛みという報告もあります。
中国で感染が広がるXDV系統の株も免疫をすり抜ける能力が高く、インフルエンザの症状に似た症状でコロナ感染に気付きにくい特徴があります。
他の疾患と勘違いするのは一見すると良いことのように見えますが、回復後にコロナ後遺症リスクが上がることには変わりません。
コロナウイルスは変異しやすいため、今後も免疫をすり抜ける能力を持つ株が生まれては流行を繰り返すでしょう。感染するたびに認知機能の低下や強い倦怠感、臭覚や味覚を失うなど、生活に支障が出る後遺症が表れます。
そのリスクをできるだけ避けるためにも、情報を積極的に入手することをおすすめします。
テレビで見ないからコロナは終息した、という勘違いが蔓延していますが、現在も妊活に関わるほどの脅威は続いています。
後遺症の治療が確立するまでは、流行期は警戒を続けましょう。
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