苦手でなければ牡蠣がおすすめ!妊活に良い栄養素「亜鉛」

妊活コラム

苦手でなければ牡蠣がおすすめ!妊活に良い栄養素「亜鉛」

亜鉛と言えば精子のコンディションを整えることで有名な栄養素ですが、男性だけが必要なものではありません。
女性の健康にも欠かせない、大事な栄養素です。
亜鉛は吸収率が低いため、効率よく吸収するためには工夫が必要です。

今回は亜鉛のはたらき、亜鉛を多く含む食品などを紹介します。
ぜひカップルで美味しく亜鉛を摂取しましょう。

なぜ亜鉛が妊活に良いのか?

亜鉛が男女とも妊活に必要な理由は、細胞分裂をサポートするからです。
より正確に言うと、「DNA合成や複製に必要な酵素、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼの活性に欠かせない栄養素」です。
もし亜鉛が不足すると、DNAポメラ―ゼなどの作用が低下し、細胞分裂の頻度が減る、エラーを起こしやすくなるなど問題を起こしやすくなります。
正常な細胞分裂は、精子の増殖、卵子の成長に欠かせません。

亜鉛がサポートする酵素は200種類と言われ、アルコ―ルを代謝(分解)するアルコール脱水素酵素、タンパク質分解を促すカルボキシペプチダーゼなど、さまざまな酵素を活性化させます。
お酒好きな方はウコンだけでなく、亜鉛も適量摂取すると良いかもしれません。

男性ホルモン、テストステロンの合成酵素にも亜鉛が必要不可欠。テストステロンは性機能を支える大事なホルモンです。
女性にも亜鉛は必要ですが、特に男性にとって重大な栄養素です。

亜鉛は身体を守る「免疫機構」の強化もサポートします。妊活は体力勝負、まず病気を退ける体力がなければ妊活どころではありません。
亜鉛が不足すると、胸腺という白血球が免疫について学ぶ器官が委縮することが知られています。老化でも胸腺は縮みますが、亜鉛の栄養失調でも同様の症状が見られます。

免疫は強ければ良いものではありません。強すぎる免疫は体内を攻撃して、膠原病などさまざまな病気を引き起こします。
亜鉛は白血球の司令塔、T細胞の機能を制御するはたらきがあります。司令塔が冷静沈着なら効率よく指示を出し、素早く細菌やウイルスを撃退できます。
T細胞に敵の情報を提示する(抗原提示)樹幹細胞や、マスト細胞という、アレルギー症状を抑える白血球の制御にも欠かせないのが亜鉛です。
亜鉛は妊活だけでなく、感染症が蔓延する現在には欠かせない栄養素のひとつです。

ただし、亜鉛を摂取すればマスクを外して野放図に遊んで良いわけではありません。
現在でも蔓延する新型コロナウイルス感染症や麻疹などの感染症は、この免疫機構を破壊してリセットする後遺症を起こすことがあります。換気や手洗い、マスク着用など基礎的な感染対策は怠らないようにしましょう。



亜鉛の接種量と食べ方の工夫

1日に必要な亜鉛は男性11mg、除錆8gです。
亜鉛を多く含む食品の代表格は、牡蠣です。牡蠣なら1日80gほど(サイズによりますが3~7粒ほど)食べるだけで1日必要摂取量をクリアできます。
亜鉛は加熱や冷凍でも壊れないので、缶詰や冷凍品でも効率よく摂取できます。生牡蠣だけでなく冷凍牡蠣フライ、牡蠣のアヒージョなども利用しましょう。

しかし牡蠣は好き嫌いがはっきり分かれる食材です。無理に食べなくても良いので、他の食品で適量補いましょう。
牛肉(特に赤身肉)、カニ、煮干し、干しエビ、乳製品は脱脂粉乳、チーズ(特にパルメザン、エダムチーズ、チェダーチーズなど。プロセスチーズも亜鉛が豊富です)、卵黄などに含まれています。
植物性食品はゴマ、カシューナッツ、ひまわりの種、アーモンド、落花生、きな粉(大豆)などに多く含まれます。

亜鉛は吸収率が悪く、通常では約3割しか吸収されません。
吸収率を上げるためにはビタミンC、タンパク質、クエン酸、乳糖と同時に摂取すると良いとされています。亜鉛サプリで摂取する時は、ビタミンCサプリや牛乳、ホエイプロテインと同時に摂取すると、吸収率が上がるかもしれません。
亜鉛は吸収しにくいので、3食に分けて少しずつ摂取するのが理想です。
朝はきなこ牛乳、昼に焼肉弁当、夜は牡蠣鍋など、小分けで摂取しましょう。

気を付けたいのは、亜鉛吸収を阻害する成分です。
玄米、穀物や豆の皮に含まれるフィチン酸は、亜鉛と結びついて水に溶けにくい成分に変質します。こうなると吸収できずに体外に排出されてしまいます。
ビタミンCを同時摂取すると、この結びつきが起こりにくくなると言われています。
玄米食はダイエットや腸内環境の改善には最適ですが、亜鉛などミネラル分不足になりがちです。たまには白米に戻すか、食後2時間以上経ってからサプリメントで補うと改善します。



参考サイト

J-stage ここまで分かった亜鉛の免疫システムにおける役割
ビタミネ 亜鉛の効果・効能
亜鉛の多い食品、食べ物と含有量一覧
亜鉛の吸収と代謝、吸収率や吸収部位、促進要因、阻害要因について

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