健康的な精液の色は白色~薄い灰色です。しかし感染症や出血などで色が変わることがあります。
全く問題ないこともありますが、何らかの病気や男性不妊の原因に繋がる可能性があります。
「危険な色が付いている」時はできるだけ早めに泌尿器科を受診しましょう。
黄色は注意が必要なケースも
黄色い精液は生理現象から病気まで、さまざまな原因で起こります。
黄色い精液は長期間射精をしていない時に起こることがあります。長い間精巣に滞留していると、組織が黄色く変色する可能性はあります。一過性のことなので、この場合は心配はいりません。
精漿(せいしょう)という、精液に含まれる液体はもともと薄い黄色です。
しかし、注意すべき症状もあります。黄疸、精子に膿が混じる膿精液症などは、すぐに治療が必要です。
黄疸
肝臓の機能が悪化すると、ビリルビンという色素が体内に溜まります。
ビリルビンが蓄積すると肌や白目が黄色に染まります。これが黄疸で、肝疾患が悪化している証拠です。
黄疸は精子に出ることもあり、この場合も精子が黄色く変色します。
白目や肌が黄色く染まっていないか、健康診断で肝臓の数値が悪化していないかを確認しましょう。
黄疸は白目を確認するほうがより確実です。肌はみかんの食べ過ぎで黄色く染まることがありますが(柑皮症)、柑皮症では白目は黄色くなりません。
黄疸は肝炎、胆管結石、膵臓がん(膵頭部がん)などでも同様の症状が現れます。
もし黄疸が出ている場合は、早急に内科を受診して下さい。
膿精液症
性病、前立腺炎、精嚢炎など細菌感染が原因で、精子の中に膿が混じる症状です。
・悪臭が出る
・排尿時に痛み、違和感が出ることがある
などの症状が出ることがありますが、自覚症状がないことが多く、自己判断はできません。
黄色い精液が「何度も続く」場合は、膿精液症の可能性を疑います。
不妊の原因にもなるため、早急に泌尿器科で検査を受ける必要があります。
クラミジア、淋病の性病はパートナーにも感染して互いに感染を移してしまい、パートナーと共に治療を行わないといつまで経っても改善しません。
自然治癒はしないので、必ず「カップルで」治療を受けましょう。
淋病や緑膿菌に感染すると、緑色に近い色になることがあります。淋病に感染すると尿路に痛みや違和感が出るので、自覚症状が比較的分かりやすい病気です。
赤、茶色の精液は出血のサイン
精液に赤や茶色っぽい色が混じる場合は、何らかの原因で精液の通り道(精嚢、前立腺、後部尿道など)の組織で出血が起こるのが原因です。(血精症)
鮮血なら赤、時間が経った血は茶色く染まります。
健康な男性でも出血することがあり、外見が派手なので驚くことがありますが、一過性なら経過観察で終わることもあります。
しかし原因は多岐にわたり、中には命に関わる病気の可能性もあります。
・赤や茶色の精液が数日以上続く
・下腹部、腰などに痛みや違和感がある
これらの症状があれば、すぐに泌尿器科を受診しましょう。
精嚢炎や前立腺炎などの炎症、尿路や精嚢などの感染症があると、出血が続きます。
気を付けたいのは物理的な刺激です。性行為などで過度な刺激を与えるのは控えましょう。
事故などで外部から強い衝撃を受けても出血することがあります。
前立腺や精嚢、尿路に結石ができることがあります。結石が出た後も尿路が傷ついたままだと出血して、尿や精液に血が混じることがあります。
尿路結石は腎臓が腫れるため、腰に激痛が出ることも珍しくありません。結石が見つかった場合はしっかり水分を摂取して、出るまで待ちましょう。
大きな結石は超音波で破砕することもありますが、尿路から出るまで症状は収まりません。
がんなど腫瘍が原因の場合もあります。
前立腺や精嚢に腫瘍ができると、腫瘍が破れて出血することがあります。特に50代以上の方、肥満の方は前立腺がんのリスクが上がるため、早急な検査と治療が必要です。できるだけ定期健診を受け、早期発見に繋げましょう。
尿が出にくい、血尿が出る、腰痛が続くなど自覚症状がある場合は、前立腺がんの可能性があります。
その他の色・珍しい症例
日本ではほぼ症例はないですが、重金属汚染で黒い精液が出ることがあるという報告があります。
重金属を扱う業種の方は、マスクや手袋など定められた防護を行い、汚染を防ぎましょう。暑いからといって防護をおざなりにすると、取り返しのつかない事態になることがあります。
「青い精液」の報告例もあります。
患者さんには乏精子症と精子無力症が見られましたが、直接原的な原因は不明です。
一度、二度色が変わることは決して珍しくありませんが、数日以上続く場合は何らかの病気が隠れていることがあります。
ここにない症例が出ても放置せずに、早めに泌尿器科を受診して検査を受けましょう。
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