異常気象で体調不良?寒暖差に負けない生活習慣

妊活コラム

秋なのに急に暑さが戻ったり、急に冷え込んだり、と不安定な天候が増えています。
頭痛やだるさ、肩こり、腰痛、下痢や便秘に悩まされるなど、調子が優れない人が増えています。
風邪でもないのに体調不良が続くときは、「寒暖差疲労」という症状かもしれません。

なぜ寒暖差疲労が起こるのか、どうすれば症状を和らげられるのか紹介します。

激しい気温変動で起こる「寒暖差疲労」とは

寒暖差は人体に大きな負担を強います。何故なら体温を一定に保たないといけないからです。
ヒトを含むほ乳類は恒温動物で、一年中いつでも一定の体温を保つことができます。トカゲやカエルなど変温動物に比べると、気温に活動が左右されにくいのが特徴です。冬場でも元気に活動できるのは、生存にとても有利です。
しかし、体温を一定に保つのは大きなエネルギーが必要です。何もしなくても、ただ寝ているだけでも体温を保つカロリーが必要になります。これが基礎体温です。

基礎体温を保つためには多くのエネルギーが必要です。
基礎体温を一定にするために、人体は気温に合わせて、自律神経を介してさまざまな反応を行います。筋肉を震わせ縮ませる、血管を縮める、緩める、汗をかくなどは、自律神経のはたらきです。
しかし、寒暖差が7℃以上あると、この調整が激しくなり、体調不良を起こしやすくなります。自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れます。

自律神経の乱れは、妊活にも影響を与えるおそれがあります。
自律神経が乱れるとホルモンバランスも乱れやすくなり、月経不順などの原因になることがあります。
寒暖差疲労は事前にしっかり対策をして、少しでも症状を軽くすることが大切です。



できるだけ体温を一定にする工夫を

寒暖差疲労を少なくする方法は、「できるだけ寒暖差を減らす工夫」が一番です。
寒暖差疲労は、特に冷え性の方に多い傾向があります。夏場でも最低限の冷え対策が必要です。(夏場はエアコンが効いた環境が多く、意外と冷えやすいため)
特に、今のような寒暖差が激しい時期は、以下のことを意識すると良いでしょう。

首、足首をストール、レッグウォーマーなどで保温する

寒暖差が激しく、1日のうちに汗をかく、寒さで震えるおそれがある日は、薄手のストールやレッグウォーマーで首、足首を保温することをおすすめします。
特に冷気は地面に溜まりやすく、想像以上に冷えやすいです。
高価ですが、可能ならストールやレッグウォーマーはシルク製がベスト。シルクは程よく水分を放出し、保温するはたらきがあります。保温性に優れながら汗をかいてもベタつかず、体温を保つ強い味方になるでしょう。

耳マッサージ

自律神経は首、耳に集中しています。耳のマッサージは手軽にでき、自律神経のはたらきを正常化するきっかけになります。
耳の上側を軽くつまんで軽く引っ張る(強く引っ張ると耳を痛めます)、軽くもむだけでも十分マッサージになります。耳に手のひらを当てるだけでも構いません。
効果は限定的ですが、手軽にできる対策です。
肩のストレッチ運動なども効果的です。

風呂にしっかり浸かる

自律神経には覚醒作用を担う交感神経と、リラックス効果を担う副交感神経があります。
急激な気温の変化は交感神経が刺激され、緊張が続きます。交感神経が活性化されると副交感神経は作用が弱まり、緊張がますます強まります。
副交感神経を優位にするには、風呂に入るのが一番手っ取り早いでしょう。少しぬるめの温度にすると、副交感神経が優位になります。(熱い風呂は交感神経を刺激するので、できれば止めましょう)
風呂には首まで浸かり、のんびりリラックスするのが一番です。

規則正しい睡眠と、程よく日光に浴びる

自律神経を正常に戻すためには、規則正しい生活が欠かせません。
規則正しい時間に寝る、バランスの良い食生活を心がける、太陽の光を浴びるなどの習慣は、自律神経の乱れを改善します。
夜勤などで寝起き時間がバラバラな方は、出来る限り夜勤なら夜勤、昼勤なら昼勤務を続け、同じ時間に寝て起きるスケジュールにすると、いくらかマシになります。
太陽の光を浴びることが難しい方は、起きたら光療法ライトをたっぷり浴びると改善するかもしれません。

冷房、暖房はほどほどに。冷たい飲み物は控える

寒暖差疲労を改善するには体温を一定に保つ工夫が必要です。しかし冷房、暖房を使いすぎると気温が一定になり、体温調節する力が弱ります。
体温は服装などで調整して、程よい気温の変化を体験することも大切です。
しかし、過酷な暑さや寒さの場合は別です。特に、2023年の夏のような酷暑は冷房がなければ生きていけません。寒さも放置すると血行が悪くなります。
冷暖房は適度に使い、事情がない限りは365日いつでも稼働は控えましょう。

同じ理由で冷たい飲み物のがぶ飲みは基本的におすすめしません。
熱中症になりかけて、今すぐでも体温を下げないと危険な場合は別ですが、酷暑でない限りは氷入りのドリンクは控えましょう。
急激な体温低下を補うために交感神経が働き、自律神経を過度に刺激する原因になります。

軽めの運動を習慣に

ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど、一定の動きをする運動を15分以上続けることも、自律神経の正常化に役立ちます。
明らかに寒暖差疲労だな、と感じるときは、敢えて軽めに動くと楽になることがあります。

不調が続く時は医療機関へ

疲れがなかなか抜けない、倦怠感がひどくなる症状に、甲状腺疾患があります。
ストレスが続き、うつ状態になっても同様の症状が現れることがあります。
気温はそれほど変化がないのに不調が続く際は、できるだけ早めに医療機関(内科など)で検査を受けましょう。
甲状腺の機能が下がっていると冷え性が強くなり、むくみ、無気力などさまざまな不調に苦しみます。薬の服用ですぐに改善するので、無理せず病院に相談することをおすすめします。



参考サイト

OMRON vol.202 その不調は急激な温度変化が原因かも?「寒暖差疲労」をためないコツ
奈良県医師会 「寒暖差疲労」とは
六本木レディースクリニック 自律神経の乱れは不妊を招く?

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