漢方薬は妊活に有効?使い方を間違えると健康被害を起こすことも…

妊活コラム

漢方薬は、古代中国から伝わった薬学を日本独自に改良したものです。
漢方薬には「生薬(天然の薬効成分)を2つ以上配合して、効果を高める」という作用があります。
生薬は天然の材料が原料で、身近なところではミカンの皮(陳皮)も生薬の原料です。科学的に成分を合成することが多い西洋薬に比べ、よりナチュラルな傾向があります。
出汁で昆布のグルタミン酸、かつおのイノシン酸を合わせると旨味が何倍も上がることは有名ですが、漢方薬もそれに近いものだと考えると理解しやすいでしょう。

しかし、漢方薬は薬です。多用してはいけない生薬や、それを含む漢方薬もあります。
自分の合わない漢方薬を無理に服用すると、健康を害することも珍しくありません。
自己判断せず、病院か薬剤師や登録販売者のいる薬局で相談してから服用しましょう。

漢方薬は体質改善に役立ちます。ただしすべての不妊原因は解決できません

東洋医学における健康は「人体を構成する要素(虚実、気・血・水)、5つの臓器(心・肝・脾・肺・腎)がバランスの取れた状態」と考えます。
気は生きるためのエネルギー、血は血液、水は血液以外の体液のことです。

しかし5つの臓器のどれか(または複数)が弱ると気血水のバランスが崩れ、病気になると考えます。
東洋医学では妊娠にかかわる臓器は腎です。(いわゆる腎臓ではなく、「腎」という概念だと解釈して下さい)
腎は、女性は7の倍数で変化すると考えます。古代中国の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」では、女性は7歳で乳歯が生え変わり、14歳で初潮を迎え、21歳で身体が完成すると書かれています。
28歳は最も充実し、35歳は容姿が衰え始める、42歳で白髪が出始め、49歳で閉経を迎えます。
現代医学でも35歳以上は高齢出産で、20代に比べて妊娠しづらくなります。42歳以上は体外受精でも妊娠出産は難しく、49歳は閉経を迎える平均的な年齢です。
古代の医学ですが、妊娠可能年齢後は現在とほぼ同じことが分かります。
漢方薬など養生は、この変化を穏やかにして健康的に暮らすための知恵です。

そのため漢方薬は体質改善に役立ちます。しかし、体質に合わなければバランスがますます悪くなり、健康を害しかねません。
そのために、まずは自分の体質、「証(しょう)」を調べることが大切です。

しかし、漢方薬にできることは「体のバランスを整えること」であり、不定愁訴などの緩和、冷え性改善などです。
たとえば子宮内膜症や排卵障害、卵管の詰まりなど、明らかな病気やホルモン分泌の問題は改善しません。これらは病院で治療を受けましょう。



体質「証」を知る方法

顔が青白い、元気がない、ため息が多い、月経前のイライラが止まらない…
これらはホルモンバランスの乱れや精神的な疲れ、栄養失調などさまざまな原因がありますが、東洋医学ではバランスが崩れていると考えます。
・足りない(気虚、血虚、陽虚など)
・多すぎる(湿熱など)
・滞っている(気滞、瘀血(おけつ)など)
など、さまざまな体質があります。

一般的な薬は「症状に合わせて」処方しますが、漢方薬は「体質に合わせて」処方します。
たとえば、冷え性を改善するために漢方薬を飲みたいと思っても、原因の体質によって処方する漢方薬は変わります。

自分の体質を簡単に大まかに知る方法は、以下のサイトが参考になります。簡単な問診である程度は把握できます。
参考:クラシエの漢方 からだかがみ

漢方薬もリスクがあります

漢方薬は副作用がないと思っている方がいますが、大きな間違いです。漢方薬も副作用があります。
特に、「甘草」「麻黄」「大黄」が含まれる漢方薬は副作用リスクがあります。甘草はむくみや心不全(偽アルドステロン症)、麻黄は興奮作用、大黄は下痢の作用があります。
特に甘草は多くの漢方薬に含まれ、婦人病の漢方薬の多くに配合されています。

もし不妊治療で病院に通院しているなら、病院で漢方薬を処方してもらうように依頼するのが安全です。
ただし、漢方薬に否定的な病院もあるので、要望が通らないこともあります。通院中の場合は必ず漢方を服用していることを伝えましょう。

薬局でも漢方薬は購入できます。漢方薬はツムラ、クラシエの2社が有名で、たいていの薬局にはどちらかのメーカーの漢方薬が置いています。
ある程度は自分の証(体質)が把握できますが、自己判断で漢方薬を買うとリスクがあります。できれば薬剤師や登録販売者に相談してからの購入をおすすめします。

薬局の中には漢方薬を生薬から配合して処方するところもあります。(漢方薬局)
予算に余裕があれば試してみるのも選択肢ですが、1ヵ月で数万円以上かかることがあります。
市販の漢方薬でも、証が合えば体のバランスを整える効果が期待できます。無理に高価なものに手を出さず、どこの薬局でも数千円で購入できる漢方薬でも効果があります。
大切なのは体質(証)に合う漢方薬を選ぶことです。



参考サイト

日本漢方生薬製剤協会 漢方の解説
ツムラ 私に合う漢方薬の見つけ方
養命酒 東洋医学から読み解く、私たちの体の変化

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