働く女性の後押しになる「不妊治療連携カード」とは?

妊活コラム

不妊治療で問題になりがちなのは、仕事と治療の両立でしょう。
特に、体外受精など高度不妊治療は身体への負担が大きく、月に何度も病院に通う必要があります。採卵をする場合は多くの薬剤を使う上に採卵の負担が重く、心身への負担が高いのも問題です。
働く女性にとってこれは大きな負担になります。厚生労働省の調査では仕事と治療の両立が難しくなり、11%の女性が離職しています。

思い切って離職して、心身を休めながら治療に打ち込むのも一つの手段でしょう。
しかし経済的な事情、キャリアを積むことに価値を見出す女性にとっては、とても選べる選択肢ではありません。
そのため「不妊治療と仕事の両立」が必要です。それをサポートするのが職場に提出する「不妊治療連携カード」です。

「不妊治療連携カード」とは?入手法と活用法

不妊治療連携カードは、厚生労働省が作成し、企業に活用を推進しているものです。
労働基準法などのような企業への義務ではありませんが、導入する企業は増えています。

不妊治療連携カードは、厚生労働省のHPでダウンロード、印刷できます。(会社が独自でフォーマットを作っている場合は、会社の書類を使用して下さい)
まずは主治医に書類を提出し、治療期間(予定を含む)と、その間に何を配慮すべきかについて記載してもらいます。
それを事業主に提出して、両立支援制度など会社の制度を利用する仕組みです。
(大企業の場合は上司や人事課など、提出する相手が変わります)

不妊治療を行うことは提出時に伝える必要がありますが、周囲に知られるのが嫌な場合は直属上司だけに伝えるという方法もあります。この場合、守秘義務が発生するので上司は周囲の人に周知することはできません。



治療を打ち明けるか、黙って続けるか

連携カードを出す前に、まず考慮したいのは、「職場に不妊治療中であることを打ち明けるか」でしょう。
オープンにすればテレワークや時短作業が続いても、スムーズに作業が共有できます。かつて同じ体験をした方からアドバイスなどを貰えるかもしれません。その代わりに治療のプレッシャーがかかる、不妊治療していることが周囲に知られることがあります。
もし職場で治療をしている人がいると、どちらかが先に授かると色々ともめ事になるリスクもあります。
2021年現在、不妊治療で生まれてきた子は全出生時の8.6%、約12人に一人の割合です。決して珍しい存在ではありません。
介護や子育てと同じように、治療もオープンにすることで時短を取りやすいのは事実です。

黙っていると周囲に知られにくいですが、時短やテレワークが取りにくくなります。元からテレワーク就業がしやすい職場なら別ですが、そうでなければ調整が難しくなるでしょう。何より調整役の上司が秘密にする必要があるので、上司の心理的負担を増やしかねません。上司が黙っていても、うわさが流れるリスクもあります。
一方で妊娠、出産した後に、子供に職場の人から出生を伝えられることがないというのはメリットかもしれません。

不妊治療はいつ終わるか分からないものです。短期間ですぐ授かる人もいれば、何年かけても難しい人もいます。
折衷案で、治療が始まった頃は黙り、どうにも耐えられない場合や高度不妊治療が始まった時点で提出すると良いかもしれません。
職場環境によって、どれだけ情報をオープンするのが良いかは変わります。今でも地方や下町には家族ぐるみで付き合いがある職場は多いので、将来を見据えた選択が必要です。

「お互い様」で仕事を支え合う心がけを

もし不妊治療について職場で理解がない、ハラスメントに遭った場合は、都道府県労働局に問い合わることで改善が促せます。客観的に見て、あまりにも非道な扱いを受けた場合はぜひご相談下さい。

しかし、不妊治療に限りませんが、近年は権利ばかり主張して義務を果たさない態度が目立つようになりました。
治療や育児、介護などが大変なのは間違いありません。しかしどのような立場の人も目に見えないところで苦労していることが多く、不平不満が高まりやすいのです。

治療で時短や休暇を取った分、出勤時には(無理のない範囲で)人一番仕事をこなす心がけを行いましょう。
子供の急病などで仕事を休まざるを得ない同僚のために、優先してサポートすることが大切です。
逆に、同僚の負荷を過剰に担うこともあるでしょう。そのような場合も不平不満は極力口にせず、負担が目に余るようなら上司に冷静に報告、対策を依頼することも効果的です。
薬の副作用や採卵後で調子が悪くても、治療中に業務を担ってくれた人々に感謝の言葉を伝えましょう。制度があってもそれを問題なく活用するためには、個人の協力が欠かせません。



参考サイト

厚生労働省 不妊治療と仕事との両立バランスブック

indeed 妊活と仕事の両立とは? 不妊治療による離職を防ぐためにできること

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