妊活中のお酒は少なめに。妊活中の飲酒は良いの?

妊活コラム

「妊娠中の飲酒は厳禁」ということはよく知られています。
「妊娠中の」飲酒は胎児の成長を阻害し、知的能力障害、低体重、顔の形成異常、脳障害など、赤ちゃんに深刻な影響を起こします(胎児性アルコール・スペクトラム障害)。
飲酒量が多ければ多いほどリスクが上がりますが、少量でも危険は免れません。
治療法はなく、妊娠中のお母さんが禁酒することが唯一の予防法です。

では、妊活中のアルコール摂取は妊娠に影響するのでしょうか。

■概要
妊娠中の飲酒は胎児に深刻な障害を与えるため厳禁ですが、妊活中の飲酒も注意が必要です。女性の場合、1日3〜6単位までなら大きな影響は少ないとされるものの、高温期が不安定になり妊娠率が下がる可能性があります。6単位を超える大量飲酒では、低温期・排卵期・高温期すべてで妊娠率が低下し、ホルモンバランスにも悪影響が示唆されています。男性も大量飲酒により勃起機能の低下や精子の質の悪化が報告され、特に毎日の飲酒習慣が正常形態率を下げる傾向があります。男女とも「深酒を避ける」「休肝日をつくる」など節度ある飲酒が妊活には重要です。また、チューハイや梅酒など甘く飲みやすいお酒はアルコール量を把握しにくく、過剰摂取につながりやすいため注意が必要です。妊娠が判明すれば女性は完全禁酒となるため、妊活中から酒量を減らし、ノンアル飲料の活用など飲まない習慣づくりを始めることが勧められます。

大量の飲酒は妊活に悪影響-女性の場合

アルコールの量は医学的に「1単位」という単位を使います。
1単位=純アルコール20gに相当します。100%アルコールが20gなので、飲むお酒のアルコール度をどれだけ飲めば1単位になるか、すぐに計算できます。
たとえば5%のビールの1単位は500ml(大缶1本相当)、7%のチューハイなら350ml(中缶1本相当)、15%の日本酒なら180ml(1合)と計算します。
蒸留酒はさらに量が減り、25%の焼酎や泡盛をストレートで飲むなら100ml(コップ半分)、43%のウイスキーをロックで飲む場合は60ml(ダブル1杯相当)になります。

女性の場合、1日あたり3~6単位までなら、大きな影響はないという統計があります。(ただし、3~6単位の場合は高温期が不安定になり、妊娠率が下がるリスクがあります)

出典:The association between alcohol intake and fecundability during menstrual cycle phasesMohammad Yaser Anwar , Michele Marcus , Kira C Taylor

しかし6単位を超えると低温期、排卵期、高温期全てで、それ以下の女性に比べて妊娠する確率が低下しました。
(たとえば、低温期に大量飲酒をする女性は、そうでない女性に比べて妊娠率が下がった、という意味です)
特に、黄体期における中程度から大量の飲酒、排卵期の大量飲酒は、ホルモンバランスの微妙な機序を乱す可能性があることを示唆しています。

特に、女性は妊娠が判明してから出産するまで、一切飲酒ができません。
妊活中であれば多少の飲酒なら問題ありませんが、お酒を大量摂取する習慣は妊活中から止めておきましょう。



大量の飲酒は妊活に悪影響-男性の場合

男性は女性ほど厳しくありませんが、やはり大量の飲酒は妊活に悪影響を与えます。
アルコールは中枢神経を抑制するため、勃起中枢が正常に働かなくなります。
タイミングが成立しなくなるので、それだけでも悪影響なのはよく分かります。

さらに、大量飲酒は精子の質を下げるという統計もあります。
出典:Semen quality and alcohol intake: a systematic review and meta-analysis.

飲酒をする男性は、飲酒をしない男性に比べ、精液量と正常形態率が有意に悪化しました。
精子は大量生産されるため、一定の確率で奇形が生まれます。奇形の精子はうまく泳げないなど、妊娠に悪影響を与えます。
飲酒は奇形の精子が生まれる確率を上げてしまうと考えられます。

男性の場合は飲酒の頻度が、精子に悪影響を与えています。
「ときどき飲む」と「毎日飲む」の男性を比較すると、正常形態率に大きな差があることが分かりました。
逆に、「ときどき飲む」と「全く飲まない」男性を比べると、大きな差はありません。

男性の場合は、「深酒を止める」「毎日飲まずに休肝日をもうける、できるだけ飲酒しない日を増やす」ことが、精子のコンディションを保てることが分かります。
女性ほど厳密な管理は必要ありませんが、男性も飲酒はほどほどにしましょう。
特に、タイミングを取る1週間前から当日までは、お酒を断つくらいの制限をかけて良いかもしれません。

チューハイや梅酒など、「甘いお酒」は要注意!

大量飲酒は男女とも妊活に悪影響を与えます。しかし、世の中はお酒にあふれています。
特に、女性受けを狙った「甘いお酒」は気を付けましょう。
ジュース感覚で手軽に飲めるチューハイや梅酒は、甘くて口当たりもよく、飲みやすいのでガブ飲みしがちです。
しかも最近のチューハイはアルコール度が高い(9%)ものが広く流通しています。
アルコール度が上がれば当然、1単位に相当する酒量が減ります。それなのに飲みやすく工夫しているので、考えなしで飲んでいるとアルコール摂取量が上がる一方です。

飲み会などでは必ずノンアルコール飲料を挟む、口当たりの良いチューハイはなるべく避ける、梅酒はロックなど原酒で飲む(薄めなければ、大量に飲めません)など、意識して行いましょう。
最近はノンアルコール系チューハイも増えています。風味はほとんど変わらないので、これに切り替えるのも良いでしょう。
飲酒中もチェイサー(水)を交互に飲み、体内のアルコール度を急激に高めない工夫が必要です。

女性は妊娠が判明したら、一切お酒が飲めなくなります。
ぜひ、妊活中から酒量を減らし、「お酒なしでも楽しめる」方法を実践していきましょう。



参考サイト

厚生労働省e-ヘルスネット 胎児性アルコール・スペクトラム障害
飲酒量の単位
英メンズクリニック アルコールは精子に悪い?
亀田IVFクリニック幕張 女性のアルコール摂取量と不妊の関係(論文紹介)

医療機関マーケティングディレクター H.R

医療機関マーケティングディレクター H.R

本業では医療機関のマーケティングディレクターとして、複数の医療機関のWebサイト制作および広告運用、Web戦略設計・改善を担当しています。 『みんなの妊活』では、本業で培った医療機関Webマーケティングの知見をもとに、妊活に関する正確で分かりやすい情報をお届けできるよう努めています。マーケティングディレクター歴:12年 担当医療機関数:5施設 得意領域:Web戦略設計、サイト改善(UI/UX)、SEO対策、アクセス解析、広告運用、コーディング

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