
妊娠中にコロナへ感染すると赤ちゃんに影響する?発達を調べた研究と注意点
新型コロナは以前ほど重症化や死亡が大きく報じられなくなりましたが、感染後の症状が長引くケース(いわゆる、コロナ後遺症)については、現在も研究が続いています。日本では2023年5月から5類感染症に位置づけられましたが、妊娠中の感染には現在も注意が必要です。
この記事では、2026年に発表された研究を中心に、これまでに報告された研究結果も交えながら、妊娠中の新型コロナ感染と子どもの発達について現在分かっていることを解説します。
まずは、2026年に発表された研究から見てみましょう。
妊娠中に新型コロナへ感染すると、赤ちゃんの発達に影響はあるのか——。
重症化リスクが下がった今でも、この不安は多くの妊婦さんや妊活中の方に残っています。近年は妊娠中の感染と子どもの発達を調べる研究が増え、結果も少しずつ蓄積されてきました。
この記事では、2026年の最新研究を中心に、妊娠中のコロナ感染と赤ちゃんの発達について「今わかっていること」を簡潔に整理します。妊活中・妊娠中の方が気をつけたいポイントも紹介します。
断言はできませんが、妊娠中のコロナ感染が赤ちゃんに影響する可能性も
妊娠中に新型コロナウイルスへ感染すると、生まれてくる赤ちゃんの発達に影響するのでしょうか。
2026年に発表された研究では、妊娠中にSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)に感染した母親から生まれた子どもを追跡しました。
子どもが生後12か月の時点ではおおむね標準的な発達がみられましたが、生後22か月時には言語・運動・認知の一部で低いスコアを示した子どもが確認されました。
ただし、この研究だけで「妊娠中のコロナ感染が発達遅延の原因になる」と結論づけることはできません。対象となった人数が少ないことや、22か月まで追跡できた子どもが限られていることを考慮する必要があります。
出典:12か月および22か月における子宮内SARS-CoV-2曝露が神経発達アウトカムに与える関連(英語論文)
https://www.nature.com/articles/s41372-026-02819-2
関連性が見られない研究もあります
他にも妊娠中の新型コロナウイルス感染と子どもの発達との関連を調べた研究があります。この研究では妊娠中に新型コロナへ感染しても、子どもが2歳になるまでの神経発達に明確な悪影響は確認されませんでした。
出典:母体COVID-19への子宮内曝露および24か月までの子孫の神経発達(英語論文)
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2824911
対象は妊娠10週未満から研究に参加した2,003人の妊婦とその子どもです。このうち、妊娠中にSARS-CoV-2へ感染した人は217人、感染しなかった人は1,786人でした。
この研究では、24か月までの発達について、感染群と非感染群の間に有意差は認められませんでした。
しかしこの研究で使われた発達スクリーニングは「ASQ-3(Ages & Stages Questionnaires, Third Edition)」というもので、発達障害を診断する検査ではありません。「発達について詳しく評価したほうがよい子どもを見つけるため」のスクリーニングなので、その点は考慮する必要があります。
妊活中の方は引き続き、最大限の対策を
現時点では、妊娠中の新型コロナ感染が子どもの発達に影響するかどうかは、はっきりしていません。
しかし、妊娠中に新型コロナへ感染すると、早産などのリスクが高まることが知られています。子どもの発達への影響が明らかでなくても、妊活中や妊娠中は引き続き感染対策を心がけることが大切です。
こまめな手洗い、人が多い場所や室内では不織布マスクの着用、定期的な換気、混雑する場所にはできるだけ近づかないなど、基礎的な対策は続けましょう。
新型コロナワクチンには、感染した場合の重症化を予防する効果が期待できます。妊活中や妊娠中に接種を検討する場合は、体調や基礎疾患なども踏まえて医師に相談しましょう。
ご自身の健康と将来の妊娠に備えるためにも、妊活中は感染症から身を守ることを意識して過ごしましょう。
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