最近は買い物をするたびに、支払い額の高さに驚くことが増えました。終わりのない物価高の波が押し寄せていることを実感する方も多いでしょう。
妊活や不妊治療は、早いほど良いと言われています。女性が妊娠できる期間には限りがあるため、(治療の是非はともかく)検査だけでも早めに行ったほうが良いという風潮はありました。
しかし、現在は生物的な理由だけでなく「経済的な理由」でも早めに不妊治療を行ったほうが良いかもしれません。なぜインフレ時代には早めに治療を行った方が良いのでしょうか。
物価高が続く今、不妊治療も例外ではなく、治療費や医薬品、自由診療の価格が今後さらに上昇する可能性があります。2020年比で物価は約13.5%上昇し、高額な医療ほど早期に受けた方が値上がりの影響を避けやすくなります。また、通院に伴う交通費・食事代・宿泊費などもインフレの影響を受けます。さらに不妊治療は仕事を休む必要があり、時給制や自営業の人は収入減のリスクも。治療費の高騰と収入減の両面から、インフレ時代は「経済的にも早めの治療開始」が合理的といえます。パートナーと予算を話し合い、余裕ある計画を立てることが重要です。
インフレで治療費も値上がりします
早めに治療を始めたい最大の理由は、時間が経てば経つほど治療費が高騰する可能性が高いからです。
インフレでは貨幣価値が下がり、物価が上がります。では、具体的にはどの程度物価が上がったのでしょう。
総務省の統計では、2020年の物価水準を100とした場合、2026年5月の総合指数は113.5でした。
2020年と同じ内容の商品やサービスを購入する場合、平均で約13.5%多くのお金が必要になります。2020年に10万円で購入できた商品やサービスには、2026年5月には単純計算で11万3,500円が必要になるイメージです。
これは平均値なので、すべての商品やサービスが一律に13.5%上昇したわけではありません。しかし具体的な数値で見ると、物価高が続いていることが分かります。
日本は30年以上デフレが続き、インフレを体験したことがない方は少なくありません。だからインフレ下ではどのように動けば良いか慣れていないこともあるでしょう。
インフレ時代には、高額な商品やサービスほど早めに購入することで、将来の値上がりを避けられる可能性があります。
不妊治療など、医療もインフレと無縁ではありません。保険診療では、原則として2年に一度、診療報酬が改定されます。一方で、人件費や光熱費、医療材料費などの上昇が、医療機関の経営を圧迫することもあります。医薬品も、原材料費や製造費、輸送費などの上昇が供給や価格に反映され、価格が上がる可能性があります。
さらに値上がりしやすいのは自由診療です。不妊治療では、保険診療に上乗せする形で、先進医療や自由診療の検査・治療を行うことがあります。
自由診療は医療機関が独自に値段設定できるため、大幅な値上げも可能です。医療材料費や人件費などが上昇すれば、今後、自由診療の料金が見直される可能性もあります。
値上がりするのは治療費だけではありません
物価高は、価格上昇率の差はあれ、ほぼすべてのジャンルに及びます。
不妊治療を受ける場合は、交通費に加え、通院時の食事代や待ち時間に利用する喫茶店の代金などもかかります。遠方の医療機関に通院する場合は、宿泊費も必要です。自治体によっては交通費や宿泊費の助成もありますが、100%補填されるとは限りません。
「稼ぐ力」を阻害されるリスクも
インフレ時代は給与が上がりやすい傾向があります。令和7年の大卒の初任給は全国平均で前年比+5.6%上昇し、26万円を超えました。地域別最低賃金もすべての都道府県で1,000円を超えました。
給与やバイト代が定期的に入る労働環境なら、治療費用が上がっても相殺できるかもしれません。
しかし、不妊治療は身体的・時間的な負担が大きい治療です。特に高度不妊治療は、採卵や移植などで仕事を休まざるを得ないこともあります。
特に、時給制で働く方や自営業の方は、仕事を休んだ分だけ収入が減る可能性があります。
体調や都合に合わせて仕事を増減できる環境は体調管理がしやすく、仕事の妊活のバランス調整がしやすい面もあります。しかし給与が減るリスクは避けられません。
不妊治療に限らず、金銭面の問題は今後も避けられません、パートナーとしっかり話し合い、余裕をもった予算を組むことで、ある程度はリスク回避ができます。
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