妊活中は運動を始めたほうが良い可能性

仕事に追われて休日は一日中寝てばかりで、運動どころではない方は珍しくないでしょう。
適度な運動習慣が身体に良いことはよく知られていますが、運動習慣がない方が習慣付けるのはなかなか大変です。妊活中でも食事や睡眠に気を遣うことがあっても、運動習慣までは手が回らない方もいるでしょう。

しかし、エビデンス(科学的根拠)の確実性は低いものの、男女とも妊活中の運動習慣で妊娠率が改善する研究結果が出ています。運動は気晴らしにも良く、ストレス発散にもなります。無理のないところから取り組むと良いでしょう。
運動はジョギングやウォーキングなど、「名のある運動」でなくても構いません。階段を上り下りする、意識して歩くなど「名もなき運動習慣」から身に着けていきましょう。

■概要
妊活中の運動習慣は、男女ともに妊娠率の改善につながる可能性があると報告されています。ただし、現時点ではエビデンスの確実性は高くなく、必ずしも妊娠率向上が保証されるわけではありません。

それでも運動は体力づくりやストレス解消、睡眠の質向上など健康維持に役立ちます。ウォーキングやストレッチだけでなく、階段の利用や買い物中に歩くといった「名もなき運動」でも十分です。妊活中は無理のない範囲で身体を動かし、継続できる運動習慣を身につけましょう。



妊活中の運動で妊娠率が改善するかの調査があります

2026年8月、英国の医学誌『Journal of Global Health(ジャーナル・オブ・グローバル・ヘルス)』に、運動と妊娠率の関係を調べた複数の研究をまとめて分析した論文(アンブレラレビュー)が発表されました。
これは過去に行われた13件の研究結果をまとめ、運動が妊娠にどのような影響を与えるのかを分析したものです。対象は女性24,470人、男性8,068人、合計32,538人という大規模な人数です。
女性では、運動を行ったグループで排卵率や妊娠率が高くなる傾向が見られました。
また、妊娠に関係する一部のホルモンにも良い変化が報告されています。ただし、自然妊娠率や体外受精での着床率については、明確な改善が確認できません。
男性も、運動によって精子の数や濃度、形などが改善する傾向が見られました。
さらに、運動を行った男性のパートナーでは、妊娠率が高くなるという結果も報告されています。
運動習慣は女性だけでなく、男性の妊活にも役立つ可能性があります。
ただし、この研究結果には不確実な部分があります。調査した13の研究の中には運動効果を裏付ける証拠の確実性(エビデンス)が乏しいとみなされるものがあるからです。
対象者の健康状態や運動の種類、時間などは研究によって異なります。運動と妊娠率の因果関係を一律に判断することが難しい研究であることは念頭に置いておきましょう。たとえば女性の年齢が20代か、30代後半か、というだけでも妊娠率は大きく変化します。
こうした理由から、今回の研究では運動の効果を裏付ける証拠の確実性が、多くの項目で「低い」「非常に低い」と評価されました。この研究だけでは、運動すれば「必ず」妊娠率が高くなるとはいえません。
出典:
Lam LK, et al. Exercise intervention improves fertility outcomes in females and males: an umbrella review of meta-analyses. J Glob Health. 2026;16:04282.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42661515/

妊活中に適度な運動習慣を身に付けたい理由

研究の結果は不確かかもしれませんが、適度な運動習慣を身に着けるのは妊活に限らず、健康に寄与するのは間違いありません。

まず体力を付ける効果が期待できます。
妊活は妊娠後から体力勝負です。つわりで体力を削られ、妊娠後期になるとお腹がどんどん重くなります。出産はまさに体力勝負といえるでしょう。
そして育児はさらに多くの体力が必要です。今のうちに適度な運動習慣を身に着けて、体力をつけておきましょう。

適度な身体活動は、血糖コントロールにもつながります。排卵障害を起こす原因のひとつ、多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)は血糖コントロール不良で悪化することがあります。血糖コントロールは健康な方にはなかなか重要性が理解されにくいですが、健康なうちに身に付けたい習慣です。

運動はストレス解消や気分転換につながり、睡眠の質の改善も期待できます。規則正しい睡眠習慣は、妊活中の健康管理にも役立つでしょう。

運動習慣を身に着けても、必ずしも妊娠率が上がるとは限りません。排卵障害や卵管閉塞などは、まずは検査で見つけて対処しなければ妊娠は難しいでしょう。運動習慣が健康に良いのは間違いないですが、必要な検査や治療も受けましょう。

無理なく習慣付けられるものを!妊活中におすすめの運動

では、妊活中におすすめの運動は何があるでしょうか。
ご夫婦でかんたんに取り組みやすい運動はウォーキング、軽めの筋トレ、ストレッチ、体操です。続けられそうなら、エアロバイクなどマシンを使った運動もおすすめです。
抵抗がなければヨガも良い運動になります。

しかし、ここでおすすめしたいのは「名もなき運動」です。どのような内容でも構わないので、身体を動かす機会を増やしましょう。階段の上り下りや、意識して歩くなど、日常生活の中でできる運動を習慣にしてください。
特に地方の方は、ちょっとした買い物でも車で移動することが多いでしょう。安全上の問題で車を使うのは仕方ないですが、それなら買い物中に店じゅうを歩き回る習慣をつけましょう。地方の大型ショッピング施設は面積が大きいので、カートを押しながら歩き回るだけでも良い運動になります。
イオンモールなら、館内に「イオンウォーキング」というウォーキングルートが作られています。モールによっては分かりにくいルートもありますが、天候に関係なく、安全に運動できます。
AEON MALL HEALTH & WELLNESS
URL:https://www.aeonmall.com/happinessmall/health-wellness/

妊活中の今のうちから適度な運動を身に着けることで、将来の健康を維持することもできます。週末にご夫婦でショッピングに出かけて、無理ない程度に歩くことから始めてみましょう。



参考サイト

Exercise intervention improves fertility outcomes in females and males: an umbrella review of meta-analyses

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