妊活中は、できるだけ同じ時間に起きて寝ることを心がけましょう。
早寝、早起きが理想ですが、同じ時間に起きて寝ても妊活に良い効果が期待できます。
早起きして、朝日を浴びるのは心地よいものですが、実は卵子を守るホルモンの形成にもつながります。
規則正しい睡眠と適度な日光を浴びると、卵胞(卵子を包む組織)の中に含まれるホルモン「メラトニン」が増えるためです
ここではメラトニンの効果、どうすればメラトニンを増やせるかを紹介します。
メラトニン分泌を増やそう。早寝早起きがもたらすメリットとは?
メラトニンといえば「安眠ホルモン」で有名です。
脳の松果体という場所から分泌されるホルモンで、明るいと分泌が減り、暗いと増える性質があります。体内リズムやホルモン分泌リズムなど「概日リズム」を整え、睡眠を促す作用があります。
メラトニンは日光を浴びると分泌が減りますが、この刺激で約14時間後、夜の時間にメラトニンが増える、というユニークな性質があります。
そのため、「早起きして、午前中に日光を浴びる」のは、夜のメラトニン生成に欠かせません。
質の良い睡眠は疲れを癒し、心身を軽くします。妊活のストレスもある程度癒すので、「メラトニンを分泌しやすい生活習慣」を整えましょう。
メラトニンは卵胞(卵子を包む組織)にも含まれます。近年ではメラトニンに卵子の酸化を防ぐ作用があることが分かりました。
卵子の酸化は老化を進める元凶ですが、これを防ぐなら卵子のダメージを減らすことができます。
メラトニンが多い女性は卵子の状態が良く、体外受精の移植でも妊娠しやすいことが複数の病院から報告されています。
逆に良くない習慣は、「寝る直前にスマホやタブレットを見続ける」ことです。
スマホの光、ブルーライトは松果体を刺激しやすいと言われ、せっかくのメラトニン生成を邪魔します。寝る前にスマホを覗かないのも習慣付けましょう。
歩くだけでもOK!適度な運動で血流改善
運動、特に、マラソンやウォーキングなどの有酸素運動は、全身の血流が良くなります。血流が良くなれば卵巣など妊活に関わる場所にも、たっぷり酸素と栄養が行き渡ります。
ぐっすり眠ると睡眠の質が良くなり、ホルモン分泌が正常化することが期待できます。
運動といえばジムに通うなどと考えがちですが、ただ歩くだけでも効果は出ます。
そのためには、正しいウォーキングを行いましょう。正しいウォーキングをするためにはこの4つのポイントをおさえておきましょう!
・胸を張ってピンと背中を伸ばし、少し大股に歩く(お尻を軽く締めると、背筋が自然に伸びます)
・腕はひじを90度に曲げ、しっかり振って歩く
・かかとから着地し、足指で地面を蹴るようにして前進
・スニーカーなど、歩きやすい靴を履く
一見するとパンプスに見えるスニーカーもあるので、仕事帰りでもウォーキングはできます。
一定時間のウォーキングを続けるとダイエットにもなります。妊活では「適正体重」がいちばん妊娠しやすく、痩せすぎも太りすぎも良くありません。
痩せすぎは月経不順や無排卵を引き起こし、太りすぎは糖尿病やPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の原因になり、排卵障害を起こします。
これらはホルモンバランスだけでは対処できないので、適正体重をキープするようにしましょう。
適度な運動と睡眠で良いサイクルを作る
程よい運動をした夜は、ぐっすり眠れます。メラトニンの作用に運動の軽い疲れをプラスすると、さらに質の良い眠りが期待できます。
ただし、脳腫瘍など病気が原因でホルモン分泌に異常がある場合は改善しません。ただちに病院で処置する必要があります。
ホルモンバランスの乱れが生活習慣のせいか、病気のせいかを自己判断するのは難しいでしょう。そのためにも、できるだけ早く不妊治療の病院で検査を受けて、ホルモンの値を調べることが大切です。
まとめ:夜勤や不定休の仕事でも大丈夫、できる範囲で改善を
早寝早起きをして、午前中に日光に浴びるのが理想ですが、それが難しい方もいます。
特に看護師など、夜勤の仕事がある方は実行したくても難しいのが現実です。
その場合は、できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起きるようにしましょう。
「夜勤なら夜勤を続け、昼勤務なら昼勤務を続ける」
これなら規則正しい生活が保てます。
夜勤は法律の規定で連続7日以上できないので、連続ギリギリの期間まで夜勤を入れ、夜勤後は休みにしてゆっくり眠る生活サイクルを心がけるのが理想です。ダメージも最大限に減らせるでしょう。
そして、夜勤の場合は起きてすぐに、強い光を浴びるようにしましょう。
「高照度光療法器具」という、強い光を放つ医療用ライトを一定期間浴びるのが理想ですが、高額な器具なので光時計(目覚める時間に強い光を放つ時計)でも良いかもしれません。
部屋のライトをいちばん強くして、職場に出るまで強い光をしっかり浴びると幾らか改善するでしょう。無理のない範囲で工夫すれば、規則正しいメラトニン生成が期待できます。
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